第49話

田舎の山道を白いポルシェが飛ばしていく。



「ちょっと!?飛ばしすぎっ!夜だし、怖い!!」



美しいスピード狂に見とれる間もないまま、夜景の見える展望台に連れていかれた。



「……街の灯りが消える前に来たかった」



「……え」




NATSUのあとから車から降りて、思わず、息を飲む。





「…きれい……」



空気が澄んでるからか、都会にむかう夜景は、本当にジュエリーケースみたいに輝いている。





夜景なんて、観たことなかった……。





「東京の夜はもっと凄いよ、汚い街だけどな」




NATSUはSevenStarsを吸いながら遠い目をしてる。






なにを考えてるのかな?






なぜ 、この人と、今ここにいるのか。



世代も違うのに、CDで存在を知っていたNATSUと、なぜか出会えた奇跡……。



夜のネオンを見つめるNATSUに、


ミュージシャンとしてじゃなく、


一人の男性として惹かれていることを感じ始めていた。





ーー運命って、あるのかもしれない。










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