第34話

「住み込み?!」



私と、そのふくよかなおばさんは、同時に声を発した。




「住むところも 家族もいないみたいだから……。

ずっとじゃなくていい、この子が他に行く宛できるまで。頼みます!他に安心できるところがない」





NATSUは、早口でお願いして、そして深く頭を下げた。




…………NATSU……。



さっき出会ったばかりの私のために……。







金髪のサラサラした髪が揺れている。





生まれて初めて 、誰かに守られたような気がしていた。






「わかった!なっちゃんのお願いだもの! 任せて!」




おばさんは頷き、NATSUを待たせたまま、私を二階に案内した。

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