第28話決別そして新たなる道
攻撃を左手で弾いた後、すかさず右手で反撃を試みたが、スレイアは両手に握った龍槍であっさりとその拳を受け止めた。「なんだ、今のが反撃か?弱いな」と挑発するように笑いながら、彼女は槍を大きく振り回し、回転斬りを何度も繰り出してきた。
アエリオンはなんとかギリギリのところで回避を続けていたが、攻撃は容赦なく激しさを増していく。「くそ、ちょこまかと…!」スレイアが低く呟くと、その目が鋭く光り、水の大渦を両手から次々と放ってくる。味方だった時は頼もしかったが、今や敵に回った彼女の攻撃は尋常ではなく、アエリオンを圧倒していた。
回避しきれず、防戦一方になりながらもアエリオンは決して怯まず、「反撃は…最も効率的な時にする」と心の中で冷静に策を練っていた。その間、何度も弾かれそうになりながらも、全力で防御に徹する。攻撃を受け流しつつ、じりじりと足場を保ちながら、アエリオンはある実験を試みることにした。
「この間に試してみるか…」アエリオンは息を整え、血の流れに意識を集中させた。両手に血の力を集め、拳に練り込むようにして徐々に力を溜め続ける。血が鼓動と共に熱を帯び、両拳に蓄えられる感覚が確かに感じられた。
「なんだ、僕より強いっていう割には防戦一方じゃないか?」スレイアはその様子に苛立ちを隠さず、冷笑を浮かべながら槍を構える。「この一撃で止めを刺してやるよ…!」声とともに彼はさらなる大渦を放つ体制を整え、アエリオンを仕留めるつもりで迫りくる。
その瞬間を狙っていたアエリオンは、渾身の力を込めて「龍撃砲」を一気に放った。これまでの技とは段違いの威力で、彼の血の力が限界まで昇華されていた。膨大なエネルギーが渦を巻き、激しい轟音と共にスレイアへと叩き込まれる。しかし、その反動でアエリオン自身も後方へ吹き飛ばされ、背後のビルの壁に勢いよく激突した。全身の力が抜け、そのまま無防備に崩れ落ちてしまう。
「くっ…全然体が動かない…やっぱり無茶しすぎたか?」アエリオンは微かに息をつきながら、痛みに耐えつつ、なんとか立て直そうとするが、血の力を極限まで使い果たした影響で、全身が鉛のように重く、思うように動けない。それでも、オロチの言葉「すぐに血は戻る」が頭をよぎり、かろうじて自分を奮い立たせる。
一方、龍撃砲をまともに受けたスレイアもまた、吹き飛ばされて倒れこんでいたが、すぐに体を起こしてアエリオンの方向をじっと見据えた。「あんな力を隠していたとはな…やっぱりさっさと片付けた方が良さそうだ。戦いのセンスだけは抜群だからな…」と、かつてガルムとして共に過ごした日々を少し思い出す。「もし俺も、あの頃のように自由に動けていたら、こんなことにはならなかったのかもしれない」と、心の奥にわずかな悔しさが混じる。
スレイアは表情を引き締め、両手の龍槍を握りしめて、容赦なく前進し始めた。鋭く光る目でアエリオンを追いながら、周囲の建物など気にかけることなく、巨大な龍槍を自在に振るい、通りすがりに目についたビルを次々と切り裂きながら近づいてくる。
「…マジか…ビルを斬りながらこっちに向かってきてるのか…」アエリオンは息をのむ。「早く見つけてもらわないと、他の奴らに迷惑がかかっちまう…」そう思いながら、崩れたビルの方へと向かって駆け出した。
「おい!スレイア!」と叫び、自ら姿を現したアエリオンを見て、スレイアは安堵したように笑みを浮かべた。「良かったよ、出てきてくれて。この辺一帯を壊すところだった…」
「ふざけるな!無関係な人を巻き込みやがって…覚悟しろよ!」と怒りをあらわにしたアエリオンは、エアシューズで一気に加速し、スレイアに向かって突進していく。
「まだそんな物に頼っているのか。情けないな」と鼻で笑うスレイア。「いいぞ、食らってやるよ」と言いながら、武器をしまい全身で受け止める構えをとる。アエリオンはその挑発に応えるように、「ストームラッシュ!」と叫び、全身のスピードをさらに増して無数の拳をスレイアに浴びせ続けた。しかし、何発当てても全く手応えがない。
「おかしい…当たってる感じがしない…」と焦るアエリオンは、次の瞬間右手に一気に血の力を集め、「ドラゴン拳!」と叫びながら全力で一撃を放った。だが、拳が直撃したはずのスレイアの体は水と一体化しており、打撃はそのまま無効化されていた。「しまった…!」
瞬間、スレイアの体が冷気を帯び、アエリオンの右手が水の中で凍りついた。「やばい…!」と思うが、腕はがっつりと氷の中に閉じ込められ、抜け出せない。
「お前という枷がなくなったからこそ、こんなことができるようになったんだ。感謝するよ、アエリオン…これで終わりだとは思うなよ?」スレイアは冷たく笑い、今度は全身から雷の力を放出し、アエリオンにダメージを与え続けた。
「うわあぁぁぁ!」雷がアエリオンを貫くように痺れさせ、苦痛に歪む。そこにアイリスが駆け寄り、「ガルムさん…!」と回復魔法を使おうとしたが、アエリオンは鋭い声で制した。「手を出さずに下がってろ、一騎打ちの邪魔はするな!」
「どうして、ガルムくん?」アイリスが涙ぐむと、アエリオンは耐えながら「これは親友同士の喧嘩だ。黙って見てろ…!」と力を込めて言った。スレイアは鼻で笑い、「今、親友って言ったか?僕はそんなふうに思ったことはない。強いて言うなら…恋敵だな」と冷たく告げると、再び上空に雷を集め、「これで決めてやる…!」と一気にアエリオンに雷を落とした。
「うわあぁぁぁ!」と叫び声を上げるも、アエリオンはスレイアに凍りついた腕を離すことができず、ただダメージを受け続けるしかなかった。意識が遠のきかけながらも、なんとか打開策を探ろうとする。
「なんだ…こんなものか?アエリオン、頑丈なだけで役にも立たないじゃないか…じんわりと死んでいけよ」スレイアが冷笑を浮かべながら告げる。アエリオンは気力を振り絞り、「お前の胸の中で…死んでたまるか…!」とつぶやくと、思い切って全身に炎の力を放出した。すると、一瞬氷が溶け、スレイアの体から離れることができた。
「…危なかった…」と息を整えるアエリオンにアイリスが駆け寄り、「大丈夫ですか?」と尋ねる。「大丈夫じゃないけど…何もするな、ごめん…」と答えるが、アイリスは強い口調で言った。「もしこれ以上危ない目に遭わされるなら、私も約束はできませんから!」
「ああ…もう大丈夫だよ、気合いが入った」とアエリオンが息を整えると、その姿を見たアイリスは驚きの表情を浮かべた。「え?ガルムくん、回復してない?」彼の傷がわずかに癒えていることに気付く。
「…ああ、さっきはありがとうな。おかげで動ける」と言ってスレイアに再び向かおうとするアエリオンに、アイリスは焦った様子で叫ぶ。「いや違う、私じゃなくて…!」
「待たせたな!スレイア」「僕の前でイチャイチャとは、いい度胸だな」スレイアが冷たく見下ろしながら言い放った。その瞳には怒りとも哀れみともつかない光が宿っていた。「ただ一つ分かったことがある。」
「…なんだ?」と、アエリオンが身構える。
スレイアは静かに、しかし断固とした口調で続けた。「今の僕には君を一撃で仕留めるほどの力はない。だが、君にも僕を倒すほどの力はない!」
「何が言いたいんだ?」
「時間の無駄だってことだ…」スレイアが軽くため息をつき、「だから、最後にお互い全力の技をぶつけ合おう。それでどちらかが倒れなければ、引き分けだ。」
アエリオンは一瞬、厳しい表情を見せながらも冷静に応じた。「いいだろう、望むところだ。」内心で次の一手を計算しつつ、静かに呟いた。「やっぱり奥義は血を注入した龍撃砲だよな?ドラゴン拳じゃ凍らされるだけだ…」
ふと、炎と風を纏わせれば火力をさらに上げられるのではないかとひらめき、アエリオンは血の量を90%に調節しながら力を溜め始めた。スレイアもまたアエリオンの意図を感じ取りながら、両手に力を集中させた。
「龍撃砲!」アエリオンが力強く叫ぶと、膨大なエネルギーとともに、風と炎を纏った巨大な火の塊がスレイアに向かって放たれた。その炎はまるで巨大なドラゴンが咆哮するかのような威圧感を伴い、周囲の空間を焦がしながら突進する。
スレイアも構えを取り、「いい技だな。だがこちらも負けていないぞ!蒼雷水撃(アズールサンダーストライク)!」と叫び、青い雷と水が交じり合うビーム状の技を放った。スレイアの蒼雷水撃は大気を震わせるほどの強烈な雷鳴と共にアエリオンの龍撃砲にぶつかり合い、二つの力が激しく拮抗した。
火と雷がぶつかり合い、激しい衝撃波が辺り一帯に広がった。まるで天と地が崩壊するかのように爆風が巻き起こり、周囲のビルが崩れ始める。地面は割れ、空気は裂け、双方のエネルギーが互いを押し合う中、アエリオンの龍撃砲がわずかに押し勝ち始めた。
しかし、その瞬間——
「くそ…駄目か!」とアエリオンが苦しそうに呟いた途端、二つの技がぶつかり合ったまま大爆発を引き起こし、空にまで響き渡る轟音が鳴り響いた。爆発の余波でアエリオンもスレイアも吹き飛ばされ、煙の中に二人の姿がぼんやりと映る。
「はぁ…はぁ…」息を荒げるアエリオン。スレイアも静かに立ち上がり、どこか諦めた表情で彼を見つめた。
「…もういい。僕は別の世界に行く。さらばだ」
スレイアが背を向けて歩き出そうとする。ふと振り返り、アイリスに問いかけた。「アイリス、一応聞くが、一緒に来るか?」
「行きません!」アイリスはきっぱりと答えた。「何が違うんだ、アエリオンと…!」と苦しげに問いかけるスレイアに、「あなたには優しさがないから無理!」と、はっきりと告げた。
スレイアはその言葉にほんの一瞬傷ついた表情を浮かべながらも、すぐに冷たい目を取り戻し、アエリオンを見据えた。「アエリオン、次に会ったときはどんな手を使ってでも仕留める。せいぜい、会わないようにするんだな」
アエリオンも挑発に応じ、「そうか、だが俺にはギーガと戦う理由がある。逃げるつもりはないぞ!」
スレイアは冷たく笑い、「二人でダメだったのに勝てるわけがないさ。…もういい。さらばだ、アエリオン」と静かに告げると、ゆっくりと影の中に消えようとしていたがその時、突然呼び止める声が聞こえた。
「ちょっと待ちなさい。」
急に呼び止められたスレイアは、イラついた表情で振り返り、「なんだ、その言い方は」と不機嫌そうに言った。そこには見たことのない黒い長髪に赤いドレスをまとった美女が立っていた。
「いや…君は誰だ…?」
その問いに、彼女は微笑を浮かべて、「気にしないで。ただ、あなたには冒険者ギルドの会員権の剥奪と永久追放、異次元間の移動の禁止を命じます」と告げた。
「いきなりなんだ!お前は一体…僕が何をしたって言うんだ!」とスレイアが反発すると、突然ガイドが現れて、「口の聞き方には気をつけて下さい!この方は異世界全てを統括して運用しているメビウス様ですよ」とたしなめた。
「メビウス…?ただの管理人か?」とスレイアが挑発的に言うと、メビウスは微笑みを崩さず、「管理人といえば管理人ね。私は秩序とルールで異世界を統制しているの。ルールさえ守れば、異世界を存分に楽しんでもらおうと考えているのよ。ただ、たまにあなたのように無茶をする方がいると…私が直々に参ることになるわけ」と答えた。
「エンジョイしてもらえると期待していたから歓迎したけど…こんなに周囲に危害を加えるなんて、がっかりね」と冷ややかに言うと、彼女はアエリオンに目を向け、「あっ、あなたは大丈夫だから安心してね?アエリオンさん」と優しい微笑みを向けた。そして、「ただ…その姿は少し変えて欲しいけれど?それとも、スレイアの方を変えるべきかしら?」と問う。
アエリオンが「俺はギーガとの約束もあるし、このままでいい」と返すと、メビウスは頷いて、「そう、わかったわ」と言いながらスレイアに向かい、「では、あなたは元の姿に戻りなさい」と光を放った。
スレイアはその光に包まれ、しばらくして本来の姿に戻った。驚きつつガラスの破片に映る自分を見て、「おお!少し成長しているけど、これが僕の本来の姿だ!」と歓喜の声を上げる。そしてアエリオンに向かって、「今の僕なら、お前に勝てるぞ!」と挑むように身構えるが、その瞬間、強烈な光の圧に弾かれ、後方に吹き飛ばされた。
「な…なんて威力だ…。ただぶつかっただけで…」
メビウスは冷たく見下ろし、「私が直々に来ているのに、何をしようとしていたの?存在を消されたいのかしら?」と一瞥を放つ。その圧倒的な存在感に、アエリオンは思わずアイリスを抱き寄せていた。
「ガルムくん、どうしたの?」
「いや…吹き飛ばされないようにさ。君も無事でよかった」
アイリスは少し照れたように微笑み、「ありがとう。でも、私は強くなったから、大丈夫だよ」と答えた。
その様子を見ていたメビウスが、「そろそろね」と告げると、ガイドが頷いた。
「用事も済んだから、私はこれで帰るわ。アエリオン、次の世界はどこへ行きたい?特別にどこでも選んでいいわよ」と尋ねる。
アエリオンは一瞬考え、「俺の姫が飛ばされた世界に送ってもらいたいんだ。ずっと探しても見つからなくて…」と答える。
メビウスは一瞬驚いた様子を見せるも、「姫…ああ、あなたの前に次元の歪みに飛び込んだ人ね。」「もしかして姫の居場所を把握していないの?」とアエリオンは尋ねる。
「いや、そうじゃなくて…」とメビウスは続けた。「彼女は今、神々の世界とされる『天界』で女神候補生として過ごしているわよ。会いに行く?」
「できれば会いたい…彼女が無事かどうか、それさえ分かれば」
メビウスは微笑を浮かべながら、「わかったわ。ちなみに天界には人間の住む世界も存在していたけれど、今は崩壊していて荒れているから注意してね」と言い残し、ガイドに後の処理を任せようとした瞬間、時が一瞬止まったように感じられた。メビウスが「この感じはまさか…」と呟いた瞬間、スレイアの横に黒いフードを被った人物が突然立っていた。その出現に気づいたアエリオンとアイリスも、思わず目を見開き驚きを隠せない。ガイドとメビウスは、即座に警戒を強め、相手に集中した。
「ごめんね、すぐに済むから」と、黒いフードの人物は軽い調子で語りかける。声の主はクロノスだった。「どうも、冒険者ギルドの皆さん。お久しぶりです。今日は彼を引き取りに来たの。永久追放された者を拾うのが好きでね。わかるでしょう?」と、クロノスは不敵な笑みを浮かべ、周囲に視線を巡らせる。
メビウスは冷ややかに視線を向け、「クロノス、あなたの目的は何?」と問いかけた。
「目的?ただ彼の強さに興味があるだけよ。こんなにビルを躊躇なく斬り裂くとは、普通の人にはできないことだわ。無謀なまでの破壊力、私の組織にはそういう者が必要なの」と言い放つクロノス。その言葉にスレイアもようやく立ち上がり、「聞かれるまでもないさ。僕はこのままでは終わるつもりはない。それに…アエリオンが天界に行くなら、僕も行くぞ。覚悟しておけ」と挑発的に言い放った。
クロノスは手を軽く振ると、スレイアを一瞬でどこかへと転送してしまった。「ごめんなさいね、彼が勝手なことを言って。でも安心して。天界には行かせないわ。彼には私の指示でやってもらわなければならないことがあるから」と、クロノスはメビウスに冷たく告げる。
メビウスは追及するように声を荒げ、「待ちなさい!あなた、一体何を企んでいるの?」
クロノスは肩をすくめ、「企むだなんて、怖いわね。私の組織は『ウラヌス』。目的はウラヌスの捜索と復活、それだけよ。別に隠し立てすることはないわ」と皮肉な笑みを浮かべると、「それでは失礼しますね」と言い残し、一瞬のうちに消え去った。その時、アエリオンの目の前にクロノスが現れ、冷たい笑みを浮かべて囁いた。「君も強いね。うちに来ない?もっと面白いことを見せてあげる」
アエリオンは冷静に返答した。「悪いが、スレイアとは敵同士だ。一緒に行くつもりはない」
クロノスは少し残念そうにため息をつき、「そう、メビウス側に付くのね?邪魔してくるなら、容赦はしないわよ…じゃあね、アエリオン君」と言い、時が歪んで消えた。
クロノスの残像が消えた後、アエリオンは困惑した表情でつぶやく。「なんだったんだ、一体…」
「彼女はクロノス。あの組織、ウラヌスのトップで、ヴァルクアを裏から操っている存在だ」とメビウスが説明する。「それに加えて、次元の歪みを自在に発生させることができる。つまり、彼女の思惑次第でどこにでも現れることができるのよ」
アエリオンは、メビウスの警告に深く頷いた。「もしかしたら、誘いを断ったことで目を付けられたかもしれないな…。とにかく、気をつけないといけない」
メビウスはアエリオンに近寄り、「気をつけなさい。彼女はしつこいから、何か仕掛けてくるかもしれない」と忠告した。そして一息つき、「それでは、私はそろそろ失礼するわ。エンジョイしてね」と言い残し、静かにその場を後にする。
ガイドが再び姿を現し、「それではガルムさん、天界に行きますか?アイリスも一緒ですよね?」と尋ねる。アイリスは少し不安そうな顔をしながらも、「もちろん行くよ。ガルムくんが行くなら、私もついて行く!」と力強く頷いた。
「わかった。では、お願いします」とアエリオンが返すと、ガイドが「それでは、どうぞエンジョイを」と微笑む。アエリオンとアイリスは手を繋ぎ、転送装置に向かって歩き出した。
一方その頃、スレイアは異次元に転送された先の巨大な要塞、ヴァルクア第10番隊の前に佇んでいた。彼は悠然と隊員たちを見回し、「どうした?僕に勝てる者はいないのか?ここで威張りたければ僕を倒せと散々言っていただろう?」と告げる。周囲に立ち並ぶ兵士たちは恐怖の表情を浮かべ、一人として反論する者はいなかった。スレイアは勝ち誇ったように笑みを浮かべ、「今日からヴァルクア第10番隊の隊長は僕だ。気に食わない者は出て行け」と宣言する。一方、天界では、ギーガが静かに待ち続けていた。「本当に三年後に来たら、お前に勝ち目はないぞ、ガルム…」と独りごちながら、己の力を徐々に取り戻していく。傍らには、オロチの指導のもと修行を続けるルリがいた。オロチは満足げに「いいぞ、ルリ。君はセンスがある。もっと強くなれる」と評価し、ルリも「ありがとうございます、師匠!」と真剣な眼差しを向けた。
少し離れた場所では龍妃が彼らの様子を見守りながら、「オロチさん、なんだか楽しそうですね。やっぱり弟子ができて嬉しいのかしら?」と微笑む。オロチは照れくさそうに、「うるさいな。だが、確かにルリは素晴らしい弟子だ」と返した。
それぞれの使命や思惑が交錯し、物語は新たな局面を迎えようとしていた。
「ゼフィロンとヴァルクアの王子が一つの体で転生し、無双の運命を歩む」 ADF @ruruparu
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