第11話

「えっと…、

 そちらの女子高校生? からどうぞ」 



涼は、3人組の高校生に手を向けた。


 


「あ〜、ウチらの自己紹介か


 まずは、私… で、いいかな?」





猿目さるめ 珠音ジュノン


春醒はるさめ高校に通う、高3!」



 特技、モノマネ。

 だいたいこの3人でいること多い。

 黒髪ロング、身長は160cm。



犬吠イヌボエ 真花マハナ


「同じく、高3!

 この子らとはどこ行くにも一緒だよ」


 特技、フラッシュ暗算。

 黒髪ボブ、身長156cm。



羊慈ひつじ あめ


「なんて言ったらいいの〜?

   こんなときって〜…」


 趣味は読書。

 黒髪ショート、身長149cm。




3人とも、春醒はるさめ高校の生徒で

愛莉と同じ高3のようだ。

校則が厳しく、髪色は黒で統一されている

のだとか。



愛梨

春醒はるさめ高校かぁ

 私と月くんは翠蓮すいれん高校

 だから、結構近いね」



このような死と隣り合わせの状況で

繰り出される会話内容ではないが、

それも涼の狙いの1つだった。



おびえは生へのこだわり、

しがみつきを強め、

死へ向かう速度を鈍らせる。


その一方で、

本来発揮できるはずの力を弱めてしまう。


そこで 一度、

凄惨な現場に日常を呼び込ませ

各自に落ち着きを取り戻させることと、


個々の特性を掴み、これから何が起こるか

わからない状況への備えを得ること、


仮に自分が冷静さを欠く事態に陥った

としても、他の誰かが代わりを担って

くれるのでは という期待を持つこと…


様々な思惑が秘められていた。


 


珠音

「お互い、来年は受験だってのに

 こんなことに巻き込まれるなんてね〜」


愛梨

「ホントですよ〜…」


真花

「これからテーマパークも行こうと

 思ってたのにさぁ」


「あーん、腕痛いよ~~~

 もー限界かもーーー!!」




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