第83話

学校から抜け出し、

月の出現を気にしつつも次のステージへ

進む。




―本堂にあった日記の写しによると、


 ”星は5つの場所、6つにしよう”


 …ってあるから、

 つぎの ”か5” は、最後かもしれない―





「最後!?


 本当!??


 すごい!!


 期待しちゃってもいいかな!??


 だとしたら…」




ユウは、一瞬目を丸くして喜んだと思えば


少し寂しそうな顔をして…







ぎゅうう…っ









「離れるのは… イヤだ…」









あなたのことを強く、強く抱きしめた。






あなたもそれに呼応するように、

ユウを抱きしめ、言葉をかける。







―大丈夫。同じ気持ちだよ。


 無事にもとの世界に戻れたら、

 また会える…。きっと。




 そうだ、このメモをお互いに

 持っておこうよ?


 この世界で出会って、元の世界でも

 会う約束をしている…って書いて、


 2人の名前も書いておいて・・・



 ユウ、もとの世界でどこか、

 地名って無い?


 その地名があれば、

 日付と時間と、その場所も

 メモに記しておいてさ、


         そこで会おうよ―





その言葉を聞いて、ユウは過去イチの

とびきりの笑顔を見せた。





はなぶさ市!


 はなぶさフレンチシティ!


 頭の中に真っ先に出てきたんだ


 その近くに住んでたのかも」




地名だけではなく、

具体的な名称までもスラスラと出てきたことにあなたは驚いた。




―時間は、

 とりあえず午前9時、とでもしとく?


 日付は…


 9月9日


 あ、なんだろうね。

 何も根拠は無いけど、

 一瞬で頭に浮かんできた日…―





コクン、と頷くユウ。


あなたは2人分のメモを書き、

2枚分千切って、ユウに手渡した。




――――――――――――――――――――

9月9日 午前9時

英市の英フレンチシティで、会おう。


――――――――――――――――――――





―あ、1番下の空欄に

 フルネームでサインして?

        お互いに…―

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