第64話

本堂の入り口に戻ってきたときに、

ユウがあなたの顔を見た。




―ん?どうしたの?―





「もし、初めに本堂じゃなくて

 墓地に向かってたら

 どうなってたんだろうね?」





―たぶん、

 さっき墓地の上から見下ろした 崖の下

 のエリアに繋がってるんだろうね


 

 えっ… まさかその目…!?


 イヤイヤイヤ、勘弁してよ?


 ウソだよね??―




先程 あれだけの体験をしたにも

関わらず、ユウの目は好奇心に

満ち溢れていた。





―イヤ、これまでユウのハートには

 何度も救われたよ?


 救われはしたけどさ、


 …にしても、にしてもだよね?


 ホントに脳内リセットかかっちゃった?


 ネジ飛びすぎでしょ?―





あなたはユウを制止しようと試みるも

すでにユウのつま先は墓地直行コースを

向いていた。





「…というわけで、

 

    レッツゴー!」





―何がレッツゴーだよ…


 こっちの身にもなってよ…―

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る