第53話

”地下ニ続ク”









壁の貼り紙にはその一言が書かれて

いるだけだった。




「地下?


 地下って… どこのこと言ってる?」





たどり着いた部屋は畳が敷き詰められて

いるだけで、地下らしき入り口は

見当たらない。






―ちょっと待って?―







ここであなたはそう言って、

壁際の畳の前にしゃがみこむ。







「ねぇ、何か見つけたの?」








あなたは、畳と畳の間から出る

1枚の赤いタグのような物を指さした。







「あっ!


 よく見つけたね、こんな小さいの」






ユウが目を丸くしてあなたを称賛したが、


スマートウォッチのライトに照らされて


ホラーのような表情に見えたのか、

あなたはぎょっとして、ユウの方から

顔を背けた。





「わかったわかった…


 そーゆーのいいから、

 このタグ持ち上げてみようよ」






ワザとじゃないにしろ

おどかしたクセに…

…という顔をしながらも、

せーの!で、

あなたが タグを引っ張り上げると…

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