第331話

「うん、わかった。」




悠馬

「ほ…本当に!?」




目を最大限まで開き、悠馬は表情に喜びを表した。



「けど、悠馬ばっかり条件つけるのは

 不公平だから、私からもひとつ

 条件つけていい?」




悠馬

「な、何!?


    条件…!??」




コクンと頷いて、糸が言ったこと…。






「もしも、優勝できなかった場合は


 …私から告白させてください





     ・・・これが、条件・・・」





悠馬

「え…?



  えーっと…




    えぇえ!??」






喜びから一変し、驚きの表情を見せる悠馬。




パチパチパチパチ!!




思わず、拍手を捧げる さな と 舞。





「おめでとう!


 糸!  悠馬くん!」




さな

「素敵過ぎるよ 2人とも!


 本当に おめでとう!」





「えへへ…


  恥ずかしい…」






悠馬

「え? え?


 おめでとう!?


 …だってまだ優勝は…


 でも今のって… ちょっと待って!



 やっぱりそういう意味でいいの??



 やべぇ、混乱する!」




「もぅ… 混乱するとこじゃ

 ないのにぃ〜…」




「悠馬くん、


 ほんっっっっ…とうに

 かっこよかったです!


 糸に許可とってないけど…


 せめて、ファンになっても

 いいですか?」



さな

「ずるぅーい!


 アタシもファンになる〜〜!!」




「ちょっと…

 そんな強引に…」





「だって、

 めちゃくちゃカッコよかったんだもん!


 糸が羨ましいよ〜」




さな

「ほんとほ〜んと!


 めちゃくちゃ素敵だった!


 糸、ずるいよ〜!」





「あはは…


 あ、寝ちゃダメだよ?

 悠馬!!


 寝たら死んじゃうよ!??」





「あのさ…


 雪山じゃないんだから・・・」





路地裏には、

1人の逃げない勇者様と…


救い出された1人のお姫様と、



勇者に恋する2人のファン。




冬に待ち構える一大イベント、

バレンタインでは 早くも3個のチョコ確定となった勇者様。




――――――――――――――――――――…




そして、路地裏には駆けつけた男が

もう1人。

 



ジュエル

「嫌な予感がして来てみたけど、


 どうやら大丈夫だったみたいだね」




振り返って戻ろうとした時に…





ドンっ!





「ちょっと!


 こんなとこに立ってたら危ないでしょ?


 気をつけて 

   よ ね……」









きゃあああぁぁっ♡♡♡








・・・パタン・・・











女性の悲鳴が聞こえてきて、

ガバッと目を覚ます悠馬。



悠馬

「何 今の!?


 また奴等が!??



 女性の悲鳴!?



 …あ… まさか…


 (ジャガンくん!?


  イヤ、そんなわけないか…) 」

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