第329話

悠馬

「・・・絶対に…


    けがさせは、


           しない…」





ドサッ!!






悠馬は精魂使い果たし、地面の上で大の字になった。





悠馬

「 (ジャガンくん…


  あの時守ってくれたお陰で、


  あの時の背中を見て、

  勇気を出し切ることができたよ


  ありがとう…。



  あと少しだけ、


  俺に勇気を分けてくれるかな…?) 」







「悠馬!!」




糸が悠馬の元へ駆けつけると、糸を追いかけるように さな と、舞も寄り添った。





「無茶しすぎだよ…


 本当に 死んじゃうかと思った」





悠馬

「みんな無事か…


  …よ、 よかった…」




悠馬がボロボロになった姿で なんとか言葉を発すると、糸は膝の上に悠馬の頭を乗せて、ハンカチで傷を取り繕う。




「死んじゃったら…


 何の意味も無いって 言ったじゃん…




 …言ったのに…



  悠馬…


     悠馬ぁ…」





ボロボロと涙を零す糸を見て、悠馬は

「ごめん」と呟いた。



さな も、舞も泣いている。




3人の涙に囲まれながら、

悠馬は再び切れた唇を開く。





悠馬

「もっと、ちゃんと告白するつもり

 だったのに…」




糸は何も言わずに首を横に振る。





悠馬

「勇気あるうちに言うわ。


 ビビリだから、俺。


 今逃したら言えなくなっちゃうから。」





「うん…


  うん… 」






目を閉じたまま、悠馬は想いを口にした。

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