第303話

征十郎がジュエルに会いに来たのには

他にも理由があった。





ジュエルくん、


 ひとつだけ 

 お願いを聞いてくれないかな?」




「何となく、察しはついてるよ


 ココの事でしょ?」




ジュエルの指先は、頭の部分を示している。

それは正しかったようで、征十郎はコクンとうなづいた。




「この話だけは、他の誰にも話せない

 からね…


 そう、そのエンドピースなんだけどさ」




「征十郎くんにも…?」




「わからない。


 まだ何の変化もないから。



 恐らく、アイツの事だから

 赤子の頃には既に埋め込んでいたとは

 思うけど…。」




「僕は15になる少し前から変化が現れたよ


 ちなみに、お腹が空いたり眠くなったり

 する事は?」




「普通に腹は減るし、眠くもなるよ?


 ジュエルくんは頭の中で音が鳴る

 って言ってたよね、前に」




「うん、警告音に悩まされてたよ。


 僕の場合はエンドピースがエネルギーを

 供給し続けるのか、殆どお腹が空かない

 のと 物凄い眠気がずっとあったなぁ


 今でこそ、お腹は空くようになったし

 眠気も抑えられるようにはなったけど…


 …じゃあ、征十郎くんには少なくとも

 それは無いってことか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る