第304話

「念の為 脳も調べたんだけど、

 異常はなかったよ


 でも、台苑条さんみたいなケースで

 後から影が見つかることもあるからさ



 …それで、お願いしたかったのは


 もしも 俺がエンドピースに支配

 されちゃった時に


 ジュエルくんに止めて欲しい

 ってことだったんだけど…」





「僕の警告音、今では気にせず眠れる

 くらいに小さくなったんだけどさ、


 無くなったわけじゃないんだ。」





ジュエルは目を閉じて耳をすませ

意識を征十郎に向けた。





「…確かに、共鳴する何かは聞こえるね」





ジュエルによれば、エンドピースを持つ者には独特の音があるのだと言う。


台苑条、理人を囲んでいた7人、

そして征十郎。


それぞれが異なる波長を持ち、その波長が

警告音の音色を変えて知らせた。


やはり征十郎にも埋め込まれていたようだ。





「やはりな…。


 それがわかっただけでも有難い


 警戒できるからね」




「音は聞こえるけど、

 警告しているわけではなさそう。


 前に聞いた”適合率”って指標が

 関係しているのかな?


 物凄く落ち着いた音だよ」

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