169cmの男子

第298話

朽笛高校付近にある公園で、小鳥が楽しそうに戯れている。




ジュエルは泉水に話した上で この公園にやって来た。




青空を薄めるような秋の雲の下


湧水を使った噴水が空に近付こうと

高く吹き上がり 水しぶきがキラキラと舞う




孫を連れて遊ばせている人と、

ベンチに座って新聞を読む男の人がいるだけの静かな空間。


車通りが少ない場所で、30dBデシベルくらいの静けさが心地よく、考え事をするには丁度よい。





「泉水ちゃんも心配しすぎだなぁ


 年下だからって、そんなに子供扱い

 しなくたって…」





気をつけて言ってきてね、とだけ言って

泉水は休日出勤のため先に外出。


ジュエルはゆっくりと昼近くまで寝て過ごし、ブランチをとってから家を出た。


最近、ジュエルの料理は泉水から

”ジュエル飯”と言われており、レパートリーは店を出せるくらい豊富だ。


学校でも頭の片隅で晩ごはんの支度のことを考えるようになったらしい。


今もふとした時には考えていたりする。

また、それが楽しいようだ。








ジュエルくん!」





頭の中でチキンライスのアレンジを考えていた時に、一人の男性がジュエルに声を掛けてきた。

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