第297話
「話を戻すと、
その征十郎くんは黒鎌氏の実子だが
父親の鎬に対し、
ずっと疑問視していたんだ。
9月の黒鎌氏失脚には、実の息子である
征十郎くんも1枚噛んでいるくらい
だからね」
『そ…そうだったんですね…
ということは、むしろ味方側
って事ですか?』
「あぁ、そうなるな。
…泉水くんは、
知っているかね?」
『はい、一度会った事もありますよ?』
「彼が玄武の名を冠していたように、
征十郎くんも朱雀の名を関している
1年生なのに、だ。」
「何と!?
あの朽笛高校でですか!??」
「そうだ。
おそらくは史上稀に見る、希有な存在
彼はきっと、朽笛高校の再建には
欠かせないだろうし、
それからきっと、
良い友人になるだろうね」
『孔雀畑さん、
ありがとうございます。
相談出来て本当に良かったです
総理も、とんだ失態をお見せしてしまい、
申し訳ありませんでした』
「怒鳴ってしまって済まなかったね…
いやはや、孔雀畑先生にモノ申せる
若者がいたこと、実に天晴だったよ。
物怖じしない性格、
真っ直ぐな瞳、
日本もまだまだ捨てたものではないな
…ねぇ、先生」
「はっはっは!
君も解ってくれたか!
だから傍に置いているんだよ」
(孔雀畑さんはこの後総理と共に
フランスの要人とリモートで会談を
行うそうで、私は部屋を出た。
黒鎌 イコール 悪人、と短絡的に
考えてしまった私が馬鹿だったんだけど…
防衛本能のようなものが激しく騒ぎ
出した結果がアレだった。
しかも総理の目の前で…。
あぁ…恥ずかしすぎる…)
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