第286話

…――――――――――――――――――――

唇に…


指先に…


舌先に…



既に何度か、天界まで誘われてしまった。





もう この先に天辺てっぺんは存在しない筈… 





ぜんぶ… 見られちゃってる…


 恥ずかしい… 今すぐ隠したい のに




羞恥心はマックスまで高ぶっている

 


…高ぶってはいる、筈なのに…



なのに、波に飲み込まれてしまって



幸せ感? 多幸感? 陶酔感?



恍惚こうこつの表情を覚え、

悶える方を身体が選んでいる…




死ぬほど恥ずかしい筈なのに、

びくん びくん …と

波の通過の度に身体を悶えさせ、


天辺を越えたところで、

甘く仰け反る身体の痙攣は止まらない…。





触れられる場所、全てが急所と化している

――――――――――――――――――――…





『あ… んっ♡


   あ  いっ…



       はぁんっ♡』




誰の許可なく、声が勝手に 出てしまう。




身体ごと、支配されてしまっている。




こんなにも 淫らにほぐされてしまう





これほどまでに 溢れ 滴ってしまう













…と、一瞬だけ間が空くと


その時がやってくる。






「いずみちゃん…


     …いくよ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る