第274話

――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――…








『ふぁぁ…


 チャージし過ぎて

       立てないかも…』




毛布の下、熱を帯びたままの背中を

ジュエルに預ける泉水。



 

「叶春、かわいいね」




泉水の背中から腕を回し、

優しくハグをするジュエル



2人の身体には いくつかの

愛を紡ぎあった跡がのこっている。




『落ち着く…


  私、ジュエルが居ないとダメかも』




「じゃあ、僕と同じだね。


 僕も叶春が居ないとダメだから」





『ねぇ、ジュエル…』





「なぁに? 叶春」






『もう少し、このままで居てもいい?


    

    …もう少しだけでいいから』





「いいよ、


    同じ事思ってたから


 叶春は本当、かわいいね…」




『ありがとう…


 ジュエルに褒められると

 なんだか泣きそうになっちゃう…


    ・・・嬉しすぎて』




「泣いちゃっていいよ


 泣いてる叶春も、笑ってる叶春も


 全部大好き。



 …僕は 叶春に褒められると

 嬉しいんだけど、

 また赤くなっちゃうからなぁ…」







『私ね …ジュエルに逢って、

 泣いていいよ? 

 …って初めて言われた時から


 雨も好きになったんだ…


 なんだか、悪くないなぁ…って


 雨上がりの、晴れ間が見えた時とか



 なんて言うのかな…


 泣いちゃっても 絶対に泣いたまま

 ってことはなくて、


 眠れない夜があっても

 いつかは眠れる時がくるみたいに


 雨降ってから晴れるまでが一つの

 セットって考えたら


 雨降るままに 洗い流しちゃうのも

 素敵な事かなぁ…って思ったの』





「雨が上がったときの晴れ…


 僕も好きだなぁ


 ・・・虹が見えそうで


 

 あぁ…生きてて良かった…


     って 思えるんだ」




――――――――――――――――――――…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る