第201話

「エンドピースというものは


 一度 脳と融合してしまった後、

 その人を殺せば 灰となって

 その機能を失ってしまいます



 …試しに何度かやってみましたが、

 確かに文献に書かれた通りでした…



 おっと、これは余談ですが」





『 (既に何人も人を殺めている??


  まるで、悪魔…


  このまま野放しにしていい人間では

  ないわね…!) 』





「私は悩みました…

 

 この素晴らしい欠片を

 どうすれば我が物とする事が出来るか

 …と


 しかし、どんなに研究を続けても

 エンドピースを取り出す術は無い。」



ユーレギンは、手元にある1冊のノートをめくり、テーブルに置いた。




「これは研究のほんの一部ですが…


 ほっほっ… 

   懐かしいですね」






ノートにはこう書かれている。




“エンドピースは脳と融合し一体化すると

 細胞の一部として体内で認識される。


 異常な細胞を攻撃するキラーT細胞も

 異物として扱うことはできず、

 逆にエンドピースを守るような

 振る舞いをする。


 エンドピースを物理的に取り出すには

 脳との融合を解除しなければならず、

 さらにキラーT細胞を沈静化させた状態

 で切り離す必要があるが、単純な方法

 では全て壊死し、灰化してしまう“   

 …と。






「だが、天は私を見放さなかった!」




『えっ…?』





「あるんですよ


 

 殺しても、灰にならずに済む方法が!」





「それは、彼女…」




ユーレギンは、脇に立つ7人のうち

1人の女性を指さした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る