第196話

――――――――――――――――――――…



鬼が出るか蛇が出るか。


闇然あんぜんたる瘴気しょうきを纏った車に乗る事2時間弱。幾度かの曲がり道を経て減速し、車輪の回転がようやく停止した。




「ご苦労さま。


 お2人をお連れしなさい」




「はっ! かしこまりました」




男の声により目的地に到着したことを知る。





シュルシュル…





運転手の男が2人の目隠しを取り、

視界が開放された。


見渡すと、そこは小さなビルの地下駐車場のようだった。壁に取付けられた時計が19時を示している。


先程の男は黒いスーツを着た男に丁重に出迎えられていたことから、組織の上役と思われる。


 



「ついてこい」




2人は両手を背中側に拘束されたまま、

先導する運転手の男について行く。


先程の男は既に見えなくなっていた。



振り向くと、

後ろにはいつの間にか別の人が付いてくる。


逃げられないように見張っているのだろう。








ポーン…







連れられるままエレベータに入り、

ビルの最上階11階へとやってきた。

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