第124話

「お前にとって、ニゲルとは何だ?」




白薔薇ニゲルとは、


 大切なひとたちの総称…。


 僕が守るべきもの。


   そう、誓ったもの…」




「つまり、

 それはお前が "自分を失うきっかけ" 


 でもあるということだ


    ・・・気づいていたか?」






(この頭のなかの欠片が何なのか、


   気にならないわけじゃない。



 黒い感情カゲが超高密度に

 圧縮されたような…


 破壊衝動、血の匂い…





 そしてそれらを解き放つのはいつも

 僕の大切な人たちが危険に晒されたとき

 だった… 



 白薔薇ニゲルが散るとき、

 僕の中の黒い感情が、僕を支配する…


 それは確かにそうかもしれない。



 だけど、信じていたいんだ。



 あの日 じいちゃんにもらった

 ニゲルの花が、僕の中の黒い影を

 奥底に閉じ込めてくれる。



 白薔薇ニゲルは、

    僕を救ってくれる、って。 )

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