第99話

ゴゴゴゴゴゴ…





「ニゲルの花 を…


     汚す…な…」




『えっ…?』




「ひいっ!


     助けて…!!」



ジュエルは、

まるで死神が大鎌を振りかざして、

魂の尾を断ち切ろうとするかのように、


3人組の目の前で手を振り上げた。



その死神の鎌は、3人の喉元にある。

ひと撫でするだけで 頭と身体は泣き別れに

なりそうだ。

それほど、逼迫した危険な雰囲気がジュエルから溢れ出ている。




『あなたたち!!


 早く逃げなさい!!!


 わかるでしょう?? この状況!


 逃げないと、本当に死ぬわよ!??』




「死…!?」




「ヤバいヤバい!!

 尋常じゃねぇぞ この人の目!!」




「ひ、ひいぃっ!!!


  すみませんでしたあ!!!」





タッタッタッタッ!!




男たちは、泉水の呼びかけに反応するや

否や、なりふり構わず 人混みを掻き分け

ながら 我先にと逃げてゆく…。

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