3. 征十郎15才

第49話

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征十郎は15歳になった。



征十郎の父、黒鎌クロガマ 舶藍ビャクランはとある物体から

ヴィルゴナーピースやエンドピースという

欠片を生み出す事が出来る。


ヴィルゴナーピースという物は、

素質ある者の能力を引き出す為の欠片で、

記憶を操り、身体能力を引き上げ

適性値を高める作用がある。


エンドピースという物は、

最初から高い適正を持って生まれた者に

有効な、より純度の高い欠片。


それぞれ、黒鎌 舶藍によって脳内に

埋め込まれ、効力を発揮するというものだ。



征十郎の脳内にはエンドピースが

埋め込まれているが、

ヴィルゴナーピースもエンドピースも、

その呼び名は征十郎の記憶から消されて

しまった。

エンドピースが自身に埋め込まれている

ことも認識出来ていない。



しかし、アリスの記憶については消える

ことなく 強く脳裏に焼き付いている。



もともと感情を持たずに生きてきた征十郎

だが、アリスと過ごした日々により、

様々な感情を学んだ。


喜びも、悲しみも、

アリスが隣に居る日々が征十郎を変えた。



アリスが消えた日、芽生えたのは父への

不信感 そして怒りの感情。



この5年間、征十郎は父への憎しみを糧に

飽くなき強さを手に入れた。


いつか寝頸ねくびをかく為に。

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