第25話

「征十郎様は何を飲まれますか?」




『同じのでいいよ、アリスと』






コポコポコポ…




    コトン…




早速、征十郎からもらった紅茶を入れ

その香りと味を楽しむアリス。





「はぁぁー…  上品で奥深い味わい・・・


 そしてフルーティーで、飲みやすくて


 甘さと苦さの絶妙なバランス…


 

 すっごく美味しいです…征十郎様…」











『アリス…』




「??」




紅茶を飲みながら、征十郎に目を向ける。










『せっくすって何?』





「ぶはぁっ!!」




『えっ?

 何かいけないことだった?』





「いっ…いえ!


 イケナイことというか、


 征十郎様にはまだ早いといいますか…」




『早いとか遅いとかがあるの?

 せっくす って』





征十郎は、可能な限り氾濫する情報が吹き込まれないよう、スマホをはじめ情報端末一式の検索機能を制限されていた。


そのため、気になるワードは誰かに聞くしかないのだが…


父親には滅多に会えないので、

唯一心を開いているアリスに質問を飛ばし

がちなのが現状だ。




 



『気になるじゃん、せっくす。


 本当になんなの?せっくすって。


 せっくすってみんなしてるの?』 







「せ、征十郎様!


 連呼するのをお止めくださいませ…!」











『アリスとしてみたいな。

         せっくす。』







「なぁ〜〜〜!?


 ななななな

 ナニをおっしゃいますか!?」




顔を真っ赤にしながら10歳の子猫顔男子に

翻弄されるアリス。





『なんとなくはわかってるんだ…』





「えっ…!?


  えっ えっ?? えっ???」






アリスに身体を向けて座り直す征十郎…。

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