第19話

―――――15分後、征十郎が入った箱は

迎賓館の指定場所まで運ばれた―――――…





人の気配が無くなったところで、

征十郎は箱から素早く脱出。




物陰に隠れながら、征十郎の潜入捜査が

始まった。





先ず訪れたのが2階の舞踏場だ。


ここはイベントさえなければがらんと静まり返っており、奥にある通路を経て、人目を気にせず3階の目的地へショートカットできる。


昔、使用人たちと大規模なかくれんぼをした際に大凡の部屋の位置は把握しているし、

この一帯はドアが少なく物音を出さずに済むので隠密行動には好都合だ。





―――――…






進んだ先に見えたのは、師団長クラスの会合室だった。


サイトウは自室へ戻る以外に、この部屋へ立ち寄るという選択肢もあることを思い出した征十郎。 



部屋にはドアが無く、部屋を横切れば姿を視認されてしまい危険だ。




『 (あかりがついてるな


  サイトウが来てるのか…



  ここは通過しないと先へは進めない

  し、タイミングを見てうまいこと

  やり過ごそう…) 』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る