第20話
部屋から 何やら話し声が聞こえてくる。
入り口からちらっと中の様子を覗く征十郎。
『 (あれは…
サイトウと、
・・・アカネ?) 』
黒鎌家の使用人は コードネームで名前を呼び合う。中にはアリスのように、本名を使う物もいるが。
アカネは日本とイングランドのハーフで、容姿端麗な顔立ちと、透き通ったようなブルベ肌の19歳の女性だ。
モデルをやっていると言われても何の疑いもないだろう。
「サイトウさぁん…
いいでしょ?
今から1時間は誰もここに来ないんだし
おウチ時間、楽しみましょうよ♡
・・・いぃじゃなァい
それとも、もっとだぁれも来ない
隣のお部屋がい〜い?」
黒鎌家の使用人は厳重に時間で管理されている為、時間さえ把握しておけば誰かとバッティングすることは無い。
『 (えっ…?
何か見ちゃイケない感じだった?) 』
恐らく征十郎の身体能力ならば、会話をしている隙に高速移動することで会合室を通過することは可能な筈だが、興味を持ったのか
足を止めて様子を伺っていた。
「オトコの人って、
ここを こうして こうすれば…
ほらね、こうなるでしょ?
うふふっ!」
『 (ナニをどうしてどうなった??
全然見えないんだけど…) 』
征十郎からはアカネの背中しか見えずに、
何をしているかまでは想像がつかない様子。
ソファに座るサイトウと、サイトウの前で膝をついて何かじゃれている?
…という風にだけ、征十郎には映っている。
「アカネ…!
少し落ち着こう? な??」
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