第8話

「征十郎くん、この問題わかんない


 …教えてほしいなぁ」



算数の授業中、指をくわえてじっと征十郎を見詰めながら懲りずに仕掛ける マナという少女。


その隣には、はぁ…と溜め息をつきながら呆れた顔で眺めるリン。



『比べる数と比べられる数でしょ。

 こんなの割り算するだけだよ

 もういいかな?』



「やったぁ! 征十郎くん、

 今日はいっぱいしゃべってくれた〜!


 嬉しいなぁ〜!


 もっと聞いちゃおっかなぁ〜?」




「マナさん、授業中ですよ?

 お静かに出来ますか?」




と、先生にその場を制されると、

マナは頬を膨らましながら身体ごと視線をホワイトボードに向ける。

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