第6話

15才の征十郎が猫顔だとすると、


この頃の、10才の征十郎は

子猫顔の可愛らしい男の子で



道を歩いているだけで話しかけられるのも

良くある事だった。






「かわいぃーーー!!!


 ねぇ、ボクいくつ?


 背、高いね


 小6くらい?」





『誰?


 言わない。


 いちいち聞かないでくれる?』





見た目とは裏腹に、性格は可愛らしさが微塵もなく 灼熱の砂漠で天日干しをしたシャツ程に乾き切っていた。





「この…クッソガキャァ…!


 可愛いからって 調子に乗りおってぇ!」





などと反感を買うことは日常的にあった。




本人はそんなことはお構いなしに、表情1つ変えずにスタスタ歩いてゆく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る