2. 征十郎10才

第5話

時を遡ること5年―――――…





雫灯しずかり市の外れ、市内を一望出来る丘の上に広大な敷地と、3000坪程の屋敷。



県境に位置する山々は黒鎌家の管轄であり、

誰も立ち寄ることはできない。



屋敷を囲う堅牢な門の前には、ダークスーツを着た人が集団で並び、緊張した面持ちで立っている。




「「「行ってらっしゃいませ 

           征十郎様」」」


「「「どうぞお気をつけて」」」



『・・・。』





黒鎌 征十郎 10才。





無言で門を出ると、家から片道10kmある

私立の小学校へ向かって歩く。




この頃の身長は160cm。



背はクラスで1番高い。





学校までは車での送迎が許されているが、

征十郎は自らの意思で徒歩を選び、登校している。

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