射沙波くんの恋歌

第67話

魚狸

「ギアを上げるぜ・・・？」

射沙波

「何！？？　

　　　　まだ速くなる・・・だと！？」

魚狸ファルコのドリブルは

音を置き去りにした

シュバッ！！！！

射沙波

「チィッ！！！　

　　　　しまった！！！

　　　　たのむ　マツタケ！！！」

松田

「任せテくだサイ！

　　　命カラガラ！　

　　　守っテ見セるで申しマス！！」

命に代えても、な？　

とツッコミたかったが

魚狸ファルコの進撃がそれすら

間を与えなかった

・・・が、

ここでマツタケがシュートコースを

狭めるために前に出た

ケアル

「うまい！

　　　　これならコースが消されて

　　　　打てないはず！」

魚狸

「（確実に決めたい・・・

　　　が！

　　　なかなかやるなマツタケ…！

　　　コースが見事に消されている！）

　　　シュートコースがないなら・・・」

魚狸ファルコはシュートフェイントを

瞬時に2回入れてから

左足で横にパスを入れた

松田

「なッ！！！　

　　　パスぅぅゥ～～～！！？

　　　デスとぉぉぉン！？？？」

一法師

「もらったぁ！！！」

射沙波

「いやまだ、

　　　　まつりちゃん と カノンちゃんが

　　　　いるぜ！！！

　　　　2対1！！　数的優位だ！！！」

湯方

「ゴールはさせない！！！」

篠崎

「えーーーいっ！」

一法師

「・・・なーんてね！」

湯方

「えっ？？」

篠崎

「きゃぁっ！」

一法師は

シュートモーションに入ったと思いきや、

ボールをスルーした

ザシュッ！！！

宇佐美

「きゃーーーー！　

　　　　やったぁぁぁ！！！」

一法師

「っと…！　あぶないっ」

よろける篠崎カノンをさりげなく

抱き抱える一法師サトル

一法師

「 (カノンちゃん〜！

　　　　えぇ匂いやのぅ〜〜！

　　　　すぅ〜はぁ〜

　　　　すぅ〜はぁ〜

　　　　サトル、

　　　　フルチャーージっ！！！) 」

篠崎

「ぁ、ぁりがとう…

　　　もぅ大丈　夫…

　　　　…です　…よ？」

言われて5秒後に手を離す一法師

解説すると・・・

魚狸ファルコがキーパー・マツタケを

ぎりぎりまでひきつける

↓

一法師 悟にパスを出すが、

湯方（ゆかた） 茉莉（まつり）がブロックしようとする

↓

一法師がまさかのスルー

↓

そこへ走りこんできた宇佐美うさぎ が

右足で決めてゴール！！！

↓

体勢を崩してよろけた篠崎カノンを

さり気なく抱きかかえて

匂いを嗅ぎまくる一法師サトル

美竹

「いえーーーーー！！！

　　　うさピョン　ナイスゴール！！！」

宇佐美

「ゴールきめちゃったっ♪　

　　　　ゴールきめちゃったぁ〜♬」

ぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶうさぴょん

射沙波

「クッソーー・・・

　　　　あのエロ狸め・・・

　　　　　どこにそんな力が・・・」

バチイイイン！！！

鰻丸・一法師・魚狸が無言で

ハイタッチを交わす

そして無言でコクン、と頷いて

ゴクン…と生唾を飲み込み、

3人そろって虹越を舐め回すように

見ていた

ゾクゾクゾクぅ〜！！

虹越

「ゴールはうれしいけど・・・

　　　フクザツ・・・

　　　・・・そしてこの悪寒・・・　

　　　恨むよ ゆち姉・・・」