第10話

射沙波

「悪ィ 

   ミズイロ、先帰っててくんねぇ?」




姫崎

「イヤ、

   別にいいけど・・・ どした?」



射沙波

「ちょっと急用できちまった・・・


    ホラ! 急ぎで! ダッシュ!!」



姫崎の背中をドンっと押して

早く返そうとする射沙波



姫崎

「痛って! 押すなよバカ!」



不機嫌そうな顔でその場を後にする

姫崎の背中が小さくなっていき、

徐々に見えなくなっていく



射沙波

「よし!」



姫崎が完全に視界から消えたことを

確認すると、

射沙波はグラウンドのフェンス裏まで

駆け寄った




射沙波

「恋羽ちゃん! 

    どったの? こんなとこで」



そこには射沙波の憧れの女性の姿があった



恋羽

「あ、同じクラスの・・・」



射沙波

「あ、そか 

    俺の名前知らねぇのか・・・


    俺は南中の射沙波・・・


    射沙波 結楽


    よろしく!」



恋羽

「よろしく

   ・・・イザナミくん」



射沙波

「 (かっ・・・ 

    かっわうぃぃぃぃ~~~!!!


    もう〜〜!!

    こ・は・ね・ちゃぁ〜ん!!) 」



恋羽

「イザナミくんも 

   サッカー好きなの?」


射沙波

「サッカー超~好きっす!

    たまんねっす!


     好きすぎてもう中毒患者! 

    ヤっばいよねぇ~ 俺」



姫崎

「 (・・・やーっぱなぁー

      ・・・そーゆーことか・・・


   つーかさっき、

   サッカー興味ねーつってたろ…)」



木陰に隠れてちゃっかり射沙波の様子を

観察する姫崎



恋羽

「そっかぁ・・・ 

   じゃぁ今度いっぱいお話しようね」



射沙波

「うぃ~~~っす!! 


    ももももももちろんっす!!


    俺、メジャーとかも

    超~~詳しいし!!!」



恋羽

「メジャー? 

   それ野球でしょ?


   くすっ・・・ 

   イザナミくんて面白いね」





姫崎

「 (あっちゃー 

   こりゃホンキだな・・・ )」

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