(初日の放課後)

第9話

初日の放課後、特にやることもなく

校庭をブラつく二人の姿


射沙波

「ミズイロ、

    俺も穏便に高校生活すごそーかな」



姫崎

「おっ? なんだなんだ?

   お前、 ひょっとして

   惚れた女でもできたな?」



射沙波

(コイツは3年くらいの付き合いのクセに

いつも核心ついたことを言ってくる・・・)



ニヤつく姫崎をキッと睨みつけて言葉を返す



射沙波

「んーだよ、るっせーな

    高校生活ぐれー どーしよーと

    俺の勝手だろ?」



花詩学園高校にはグラウンドが2つある


体育館脇にある陸上用トラックと、

フェンス越しの”第二グラウンド”

と呼ばれる野球やサッカー用のトラックだ



特に部活に入りたいわけではないし、

ガラでもないが

どこかに落ちているかもしれない

アオハルを見つけ拾いでもするかのように、

とりあえず見て回っていた



第二グラウンドでサッカー部の練習が

おこなわれており

掛け声が聞こえてくる




「いくぞ花学! 


 ウィー アー 花学! 


 GO!!!」




姫崎

「おぉー 

   県ベスト4に入るチームは

   掛け声から違うねぇ~」



射沙波

「サッカーなんて 

    何が楽しいのかねぇ・・・


    …つか 

    お前、もうやんねーの? 

    サッカー」



姫崎

「言ったろ? 平穏に過ごすって


   それに、やりてーこともあるしよ」



射沙波

「なんだよ? ヤリたいことって


    お前こそ オンナか?」



姫崎

「違げぇーよ


   オレぁ プログラマーになって、

   ゲームでも作ろうかと思ってな 


   …クリエイターってヤツだ」




射沙波

「お前がゲームクリエイター?


    なんか 

    エロゲーばっか作ってそーだな 

       ぷっ!」



姫崎

「そんなん言ってっと、

   まっのオメーを主人公にして

   粗●ンに的当てするゲームでも

   作っちまうぞ?

   案外 バズったりしてな」



射沙波

「誰が買うんだよ 

    そんなクソゲー…」



話の途中、

視線を第二グラウンドのフェンス脇に

固定する射沙波




射沙波

「あ・・・」

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