第71話

ナイトウォークはトップバッターの

魚狸ファルコ&恋羽ペア から

スタートしていた―――――…




魚狸

「うっわー・・・ 

   こんな林の道とか作んなよ 

   ったく!


   誰だよ? 

   こんな薄暗い道作ったクソバカは

   ・・・ まったく・・・!


   マジでこわいんですけどー・・・ 

   恐ろしいんですけどー・・・


   街灯増やせよ ったく…

      バカヤロー マジで…!」



恋羽

「フ~ちゃん、

   さっきから口悪いし、

   愚痴ばっかだよ?

   そんなに愚痴ばっかり言ってたら 

   幸せ逃げちゃうからね?」




魚狸

「(幸せ・・・ね


   実は、怖がっちゃいるが、

   俺は今、サイコーに幸せなんだぜ?


   なぜなら、隣に 

   コハネッコがいるから!!


   イザナミくんがコハネっこのことを

   好きなのはモロバレだからな・・・


   だから、

   普段は目を付けられないように 

   アワゾラってよそよそしく呼んだり

   なるべく離れて過ごしたりしてたけど


   …実は僕ちん、

   昔っからコハネっこのこと

   好きでしたから!)」




恋羽

「でも確かに、

   薄暗くてコワイかも・・・」



ナイトウォークの不気味さに押され、

恋羽が少し魚狸ファルコに近づく



魚狸

「(コハネの腕が、

    俺に当たっとる!!


    それに、い~い おいにー が

    ふわぁ~・・・っと・・・!!


    女子のシャンプーって

    なんでこんなにえぇ匂いなん??

    身体から何か おいにー成分

    分泌されとるんと ちゃいますか??


    つーか マジで久しぶりだなぁ 

    こんな距離感・・・


    あーあ、昔は毎日家に行って

    遊んだ仲だったのにな~・・・

    距離感とかカンケーなくさぁ・・・


    お風呂も一緒に入ったりしてたし…


    あ、コレ 

    イザナミくんに言ったら

    殺されるな・・・?


    お風呂のとき、

    体の隅々までガン見してました、

    とか言ったら

    まず命はないもんな・・・) 」





ガサガサガサ!!!




魚狸

「うぎゃあああああ!!!!」


恋羽

「きゃああっ!!!!!」





「にゃぁ~お」





魚狸

「・・・な、なんだ 猫か・・・ 

   脅かすなよバカヤロー 

   コンチクショー!!


   かわいいじゃねーか!

   ネコ…!

   ・・・コノヤロー!!」



今の音で 

いつの間にか恋羽が魚狸の右腕に

両腕を巻きつけるようにして密着していた




魚狸

「(くうう~~~~~~~~!!!

    ナーーーイス

    キャーーーーーーット!!!


   そーゆーことなら、

   バンバン現れなさい! 


   3食昼寝付きで

   おもてなししちゃう〜〜!)」



恋羽

「フ~ちゃん、

   やっぱり怖いよ~…」



魚狸

「ふふ・・・

   コハネっこは怖がりだなぁ


   でも安心して? 

   俺はこーゆーの実はトクイだから」




さりげなく、恋羽の手を握るエロ狸




恋羽

「あー、橋だよフ~ちゃん・・・

   なんか不気味じゃない?

   色も緑だし…」



魚狸

「イヤ・・・俺からしたら、

   そんじょそこらの橋と

   変わらないけど? 何か?


   (今の俺、

    めっちゃカッコよくないか??


    来たのか? 

    ついに来たのか??

    大魚狸時代が 

    来ちゃったのか???


    よし、この橋を渡ったら 

    キスをしよう!


    流れ的にも自然だし、雰囲気いいし


    ・・・でも初めてのキスって 

    ベロとかどうすんだ??


    最初だから、軽くしとくべき? 


    うーん、これは難問だ・・・)」

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