第68話

~鰻丸がルール説明をする30分前、

 宿舎・集会場~



鰻丸

「(さて、問題はどーやって

   自然と男女のペアをつくるか

   ってことなんだが・・・


   コイツを使ってしまって

   いいものか・・・)」



鰻丸の考えている”コイツ”とは、

磁石を使ったトリックで思いのままに

ペアを決めてしまうという

”インチキ抽選くじボックス”のことだ


あまりにも思いのままにペアが決まれば

怪しまれるし  何か、こう・・・

達成感のようなものも無くなる気がするし


でも意中の女子とは組みたいし

せっかくのチャンスは逃したくないし…



そういった葛藤がありながら、

結局良い案が思い浮かばずに

この日を迎えてしまった





魚狸

「ウナギ、わかってる・・・

   だが葛藤している時間もない 


   そこでだ、

   ここは先生のお力に任せて

   みないか?」



鰻丸

「先生?」



魚狸

「先生、どうぞ?」






「コホン・・・ 」


小さく咳ばらいをしてやってきたのは・・・






鰻丸

「ツノノメ?・・・ 


   なるほど!

   その手があったか!」



築野目あやめ の呪具については、

クラスで何名かは知っている


鰻丸や魚狸もその一部の人間だ




築野目つののめ

「やれやれ・・・そんな 

    企みがあったなんてね・・・


    ま、薄々は気づいていたけど、

    まぁ私も狙いのペアになる確率を

    上げたいとは思っていたから

    手をかすわ・・・


    この呪具 

    ”想い人き合わせ紋十郎もんじゅうろう”を

    抽選箱の近くに置いておけば

    その人の願いの強さによって、

    引く確率が上がるはずよ」



魚狸

「少しギャンブル性はあるけど、

   これなら誰とあたっても

   

   恨みっこなしだな」



築野目

「ただ…

   相手も自分を希望するとは

   限らないから

   外れた場合は

   きっぱりあきらめてね?


    呪具に逆らっちゃうと…

    呪い返しにあっちゃうから…」




築野目つののめあやめ

魔法適正は闇―――――…


彼女が駆使する”呪具”について、

これは非常に便利なアイテムに思えるが

誰でも使えるものではない


呪具という霊的な負のエネルギーを

もつ道具に対し、築野目あやめ が備えている

負のエネルギーをかけ合わせることで

駆動力が生まれるのだとか


ちなみに、

築野目あやめ の普段は一般的な学生だが、

いわゆる ”見える人”でもあり

学校を離れた際は 呪具を駆使して 

人知れず怪異と戦い、街の平和を守っている


呪具にはリスクもあるのだが、

その辺の話は置いておくとする・・・

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