第55話

射沙波

「(クソ・・・最後の最後で、

    ミズイロを探しちまった・・・

    いるわけねーのによ・・・)」



織原

「ユラ・・・」




イザナミはゴール前で窮地に立たされた

瞬間、

自らの最高の相棒である

姫崎ミズイロの名を叫んだ



この一か月間、

ずっと心の中で引っかかっていた思いが

表面に現れた瞬間でもあった


さすがの彼も引きずっていたようだ







射沙波

「わりい・・・


    最後の決定機を

    外しちまった・・・」



ケアル

「ううん、

    ここまでこれたのは

    イザナミくんのおかげだから


    むしろ、最後まで楽しいゲームが

    できてうれしいよ!」



松田

「最高デシタぜ、

   イザナミのアニキ・・・!!


   オツトメ、ご苦労サマで申しマス」



篠崎

「負けちゃったけど、

   ぜんぜん悔しいとかはないよ


   すっごく楽しかった!

   ありがとう」



湯方

「ボクも! 

   なんかいい思い出になったなー

   って感じ!」



築野目

「うん、

    みんなサイっコーに

     かっこよかったよ」



射沙波

「みんな・・・」



周りの暖かい声に

少し目をうるませるイザナミだった





雷音

「・・・イザナミ・・・」



射沙波

「おう・・・やっぱオメー、

    すげーな


    この天才ファンタジスタが

    本気出しても勝てなかったわ」



雷音

「・・・イヤ、お前のような奴は

   全国探しても

   出会ったことはない・・・


   ・・・大した奴だよ・・・」



恋羽

「イザナミくん! 

   すっごくかっこよかったよ!


   ・・・はい、タオル」



射沙波

「こ、こはねちゃん!!!

    本当に!? 

    …そんなに!??」


恋羽

「うん! 

   素人っていうのが信じられないくらい

   びっくりしちゃった!」



射沙波

「うっ! それをなぜ・・・」



織原

「まぁ、アンタにしちゃ上出来ね

   オツカレさま」



射沙波

「ぬ・・・

    大してほめてないなぁ~? 

    オマエはぁ~!


    そして、シロートってこと

    バラしたなぁ〜!」




こうして1-6の班対抗フットサル大会は

E班の優勝、C班の準優勝で幕を閉じた




紅桜

「熱い・・・熱いねぇ・・・


   全力アオハル全力前進、

   校訓に恥じない戦いだったわ~!


   小雪…

   身体が火照っちゃう…♡」




木森林 

「 (むお!?

    小雪センセイ…


    顔が赤いぞ!?


    大丈夫か??


    身体をくねくねさせてるし…) 」



心配そうに小雪を見つめる木森林


それを遠目に見ていた 築野目あやめ と

裏千家みはな





築野目

「呪具…

    "ひね大吾郎だいごろう"


    ・・・これでイイ? 

       ミハナちゃん…」




禍々まがまがしい呪具を力任せに捻り上げる築野目

呪具に対象となる人物の髪の毛や皮膚などを入れて

その呪具の名を呼ぶことで効力が発揮されるらしい




木森林

「ぎゃあああ!!!

    首が 勝手にねじれる!?

    いててててっ!!!」




裏千家

「他見ちゃ、ダメっ…」

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