第36話

店長

「お待たせしてしまい、

   申し訳ございません


   ・・・こちら、

   ポリソンヌのミルクレープ

   でございます 

      ・・・んねっ」



射沙波

「おおお! 

    写真で見るより神々しい〜!!」



織原

「確かに美味しそう!

   いただきまーーーすっ!」



店長

「ほぁああああっ!!!!! 


   ストーーーーーーッピングぅ


       んねっ!!!!!」




射沙波

「えっ!? 

    何 なに!??」



店長

「スイーツとは…

     果てしなき情熱。


  ・・・スイーツとは…

     燃え上がる恋心。



   ・・・お客様・・・



   ご自分で食しては 

   スイーツが悲しみます・・・


   ぜひ、お互いの手で 

   お口に運んであげてください…」




射沙波

「はァ!? 

    なんでそんなことを??」




店長

「その昔、

   中国のことわざ

   こんなことがありました・・・




   ・・・い、い、か、ら、


     やれ!」




射沙波

「ひぃっ!? 何 なに? 」



急に野太い声を出す店長


さらに一瞬、

目に映った店長の姿は、まるで仁王像




射沙波

「こ・・・こうか・・・?」



織原

「・・・こうかしら・・・?」



店長の異様な圧に押され、

ミルフィーユをお互いに食べさせあう二人




「あちゃー・・・ 師匠、


  最後の最後で力技とは 

     おいたわしや・・・」



残念ながら現時点で

ミルフィーユ・ポリソンヌの

完成度は50%程度


キャッチ安堵リリースのノウハウも

今はまだ積み上げ途中


しかし後に つむつむ こと、海原 紬によって

諸々の魔法が完成されることとなるのは

まだ内緒の話・・・



ミルフィーユ・ポリソンヌは

後半 詰めが甘かったことは否めない



・・・が、

ここからが店長・芽栗めぐり

真骨頂だった



芽栗めぐりの眼光が

鋭く激しく バッキバキにギラつく!



店長

「奥義・極大魔法!


   巡るめく淡恋の季節アオハルメモリーズ!!」




さりげなくチェアを引く



モエカがよろける

(足元の池に落ちそうになる)



イザナミがモエカの腰に手を回して支える



店長がさりげなくイザナミを押す



二人とも池にダイブ

(水は足首までしかない)



イザナミがモエカに覆いかぶさる格好になる





店長

「終幕・・・ 

   煩悩めぐるめく季節リップオンザリップ!!!」


(芽栗がイザナミの背中に

 魔法で 見えない100kgの重りを与える)




射沙波

「おわあっ!!!」






…生まれてはじめて

唇を重ねるイザナミとモエカ







1ST Chu〜・・・♡









射沙波

「モ… モエカ!! 

   すまん!!!


   これは その・・・ 


        あれだ!


    不可抗力ってヤツだ!!!」



織原

「きゃああっ!

   何すんのよっ!!!


   も〜

   服 びしょびしょだし~~~~」






・・・・・・・・・・





店長

「これは大変失礼致しました・・・

   洋服のほうは・・・


   こうして こう

   こうこうこう   ・・・


   ・・・ハイ、 いかがでしょうか?」



織原

「あれ!? 乾いてる???


    なんで??」



店長

「さて・・・ 

   燃え上がる情熱が

   お水を蒸発させてしまった

   ようです んねっ」



織原

「(アタマおかしいのかしら?

   ここの店長…)」



射沙波

「どーやら

    とんでもねー店に

    来ちまったらしい・・・」





お互いのファースト・キスの味は 

濃厚なミルフィーユの味・・・



しばらく顔を見合わせることが

出来ない二人だった・・・




店長

「ふふ・・・ 

   あとは運命の赴くままに・・・


   お幸せに んねっ」

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