第30話

射沙波とモエカが案内された部屋は

二人掛けのチェアとテーブルが中央にあり、

周りは小さな噴水で雰囲気を演出した空間となっている


つまり、逆に言うと

その二人掛けのチェアに腰掛けるしかない

状況ということだ


チェアは幅が約60cmしかないため、

高校生が二人座るには 少々狭い


だがそれが 店長こと、

恋愛発展プロデューサー

越野こしの 芽栗めぐり

演出する、"恋愛魔法"の設計プランであった



芽栗の持論は

「人は、ふたりになると磁力を帯びる。


 一人がS極なら、もう一人はN極。


 Sukiすきになったら

 Nomerikomuのめりこむ


 だからSとN」



 これが見習いクルーの紬と

 ホイミに多大な影響を与えていた




射沙波

「なぁ、狭くねーか?」



織原

「うん・・・ 

   狭いっちゃ 狭いけど・・・」




この店は、

のちにM&Yという名のスイーツ店に改名し

世間に名を轟かせることとなる



ちなみに、

  M(まぁるく)

  Y(優しく)

  つなぎましょ


という意味らしい

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