第31話

射沙波

「 (くっ・・・ 

    座るとこ 

    ここしかねーのかよ・・・

    こう密着してると・・・

    なんか変な気分に

    なってくんな・・・!)」




織原

「(これ、どんな状況よ・・・!

    映画を見に来た高校生二人が、

    時間つぶしにスイーツ店にきた

    だけなのに、

    薄暗い密室で

    二人っきりで・・・

    しかも密着だなんて・・・!!


    つーか、店員まだなの?)」




射沙波

「な、なんか遅くねー?」



織原

「アタシ、呼んでこよっか?」



射沙波

「あぁ…でも 

   まぁ さすがにもうくるだろ・・・


   (ん?

     テレビあんのか・・・


     リモコンはこれか・・・)」




織原

「そ、そうね・・・


  (なんか気まずいから、

    少し最近の話題でも振って

    みようかしら・・・)」



幼なじみとはいえ、

初めて入った店の個室で密着状態・・・


さすがの二人も顔を見合わせるのを

躊躇していたが

ここでお互いが場を和ませにかかる



織原

「この前体育のときにさ、

   魚頭うおがしらくんが遅刻

   してきたの」



射沙波

「おお、"りきぎょ" な?


    そーいや、アイツ後から来てたな」



織原

「それでね? 


   慌てて着替えたハーフパンツが

   お兄ちゃんのだったみたいなの!」



射沙波

「ハハ・・・ 

    アイツ、だからずっと

    パンツ押さえてたのか


   (ちょっとTVつけとくか・・・)」



このときTVのリモコンを

ぽちっと押すイザナミ



織原

「そう、

   サイズがユルユルで 大っき・・・」



「あ~~~ん! 

 おっきいいぃぃ~~~♡」



突然、

イカガワシ系のビデオが再生された!



射沙波

「ぶっ!!!」 


織原

「きゃぁあっ!!!」



慌ててTVを消すイザナミ!



射沙波

「な、なんで 

   アダルティなモンが

   入ってんだよ!??

   スイーツ店で…!!」


織原

「(なんなの? 

    なんなの? この店!?)」



上体をのけ反らすイザナミと、

恥ずかしさで顔を手で覆うモエカ



ホイミ

「お待たせしましたぁ!」


射沙波

「おわぁっ!!! 

    急に入ってくんなよ!


    ったく、

    ノックぐらいしろよな〜!?」


ホイミ

「あら! 

    ノックをしたつもりでしたが、

    大変失礼いたしました! 

    お客たまたま!」



射沙波

「ったく! 

    ・・・あぁ、メニューね」



ホイミ

「そうですね・・・

    こちらの

    ”ポリソンヌのミルクレープ”

    が今月のオススメとなっています」



織原

「アタシ、それがいいかも」



射沙波

「確かに…めちゃくちゃ美味しそ…!」



キャッチ安堵リリース専属カメラマンが

撮影した商品は

どれも上品かつ極上の甘味を

視覚から訴えかけてくる



ホイミ

「かしこ かしこ でございます!


    少々、おまちくださいませ~☆」



射沙波

「今度は 

    なるべく早めに頼むぜ?」



振り返り、にっこり〜〜〜☆

と、満面の笑みで応えるホイミ



射沙波

「あの店員、

   小曾下こそげって言ってたけど

   クラスの小曾下と姉弟なんかな?」



織原

「確かに・・・

   またと無い珍しい苗字よね」




また再び、始まってしまった

男と女の密室密着タイム

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る