第5話

持ってきた淡い期待が不安に変わり

険しい顔で席につく1-6メンバー



皆それぞれ、期待とは裏腹に

変な緊張感をもつことになった




…そこへ 

剃り残したヒゲが目立つ

緑色スーツ男がやってくる



「よっし、ひとり除いて みんな揃ってるな


 これからホームルームを始めるぞー」



男は身長200cmの

筋肉質な体型の持ち主だった



ホワイトボードに向かってペンを

とるやいなや

黒いラインを小慣れた感じで走らせた



キュ・・・ キュキュ・・・ キュ・・・



「花学へようこそ!


 1-6の担任の 木森林きもりばやし 樹々じゅじゅ

 これから1年間、よろしく頼む」



”木” 多っ  …と誰もが思った



「それから、

 俺は家庭菜園や園芸が趣味

 なんだけどな・・・


 ”花だけじゃなく、

 生徒の面倒見もいいですね”

 なんて よく言われている


 得意な魔法は"成長促進日々是好日グロウウィンサニーデイズ"だ


 何か困ったことがあったら必ず

 俺に言ってくれ



 あー、それから

 いちおう公民で習っていると思うが、

 仮に魔法を覚えたとしても

 学園外での魔法の使用は、

 ”魔導士”の資格を持っている者以外は

 原則禁止だ


 コレ、魔導法第2条ね?


 重~~い刑事罰に問われてしまうから、

 絶っ対に厳守してくれ? いいな?」



担任の軽い挨拶が終わったところで、

木森林は左右に生徒を見回して言う

 



「・・・それじゃ、

 さっそくみんなにも自己紹介

 してもらおうか・・・




 ・・・じゃぁ、出席番号順にいくぞー


 1番は・・・ 

 まだ来てないから、


 2番の君だな?


 (せやった! 

 いきなりコイツやったわ 


 問題児…イザナミ ユラ!) 」




周りの緊張感が増してゆく・・・!


これは 入学早々、

何か起こるのでは?

という予感しかなかった





射沙波

「ん? 俺か・・・」





ガタっと立ち上がり 口を開く悪男




危害は加えないでくれ、と真剣に願う者



自分の番が来たら 

目を付けられないようにしなければ…

と、肝に銘じる者



ゴクッ・・・



生徒たちの視線はほぼ伏せた状態だ




そんななか、問題児が言葉を発した








射沙波

射沙波いざなみ 結楽ゆらです。


  みなみチュー出身、


  得意科目は音楽です



  よろしくおねがいします」






イヤ 真面目マジメか!!!


クラスの80%は心の中でツっ込んだ




「意外と いい人だったりして・・・」



「顔 かっこいいし、

 今度話しかけてみよっかな」



「案外高校では真面目に過ごすのかもな」



ただ名前を名乗っただけで

高感度、爆上がりの初日…

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