第5話 冒険者ギルドにて

冒険者ギルドにて


朝食を済ませて、イシュタス様の像に祈りを捧げてから、冒険者ギルドに向かった。


冒険者ギルドは、大通りにあり、すぐにたどり着けた。


見た感じは酒場が併設されていて、いかにも荒くれ者が集う場所......そんな感じに見える。


まんま、小説やマンガの世界その物だ。


まさか、この目で見る日が来るなんて思っていなかった。


何時まで立っていても仕方が無い。


俺は意を決してカウンターへと向かった。



カウンターに行くと……


「初めて見る方ですね!今日はご依頼ですか?」


綺麗なお姉さん、うさ耳が頭にあるお姉さんがそう聞いてきた。


流石は異世界……多分獣人だ。


俺はまだ、武器は持っていないから『冒険者になりたい』人間には見えないのかも知れない。


「はじめまして、冒険者になりたくて来たのですが、色々教えて貰えますか? 登録にテストとか必要ですか? なにか保証が必要なら、王宮からの身元保証書類もありますが……」


「まずは、登録ですね、冒険者は誰でもなれますので、その身分証明書は冒険者の登録では使う必要はありませんよ。こちらの用紙にご記入お願いします。書ける事だけで大丈夫です。文字は書けますか?」


昨日は文字が読めなかった。


だけど、あれ、何故か今日は読める。


翻訳の影響なのか、何故かこの世界の文字も書ける様な気がする。


「はい大丈夫です」


どういう訳か何故か文字が理解でき、ひらめいた文字をそのまま書いた。


「これで宜しいでしょうか?」


俺は 名前とジョブだけ書いて終わらせた。


エキストラスキルの若返りは書いて無い。


この世界でなにが出来るのか、自分でも解らない。


あとは様子見だな。


「構いませんよ、冒険者ギルドは来るものは拒まず。 訳ありの方でも犯罪者で無い限りどなたでもOKですからご安心ください」


「はい」


どういう仕組みか解らないが犯罪歴があると紙が赤くなり、ギルマスと面接になるらしい。


軽い犯罪なら、なれるらしいから、かなり敷居は、低いのかも知れない。


「それじゃ、これで登録しますね」


「ありがとうございます!」


「但し、冒険者は、自己責任の厳しい世界だという事は頭に置いて行動して下さい」


「解りました」


「それではご説明させて頂きます」


説明内容は、

冒険者の階級は 上からS級、A級、B級、C級、D級、E級、F級にわかれている。


上に行くのは難しく、B級まで上がれば一流と言われている。


殆どの冒険者が、D級まででそれ以上は極めて少数。


級を上げる方法は依頼をこなすか、大きな功績を上げるしか方法はない。


B級以上になるとテストがある。


ギルドは冒険者同士の揉め事には関わらない。


もし、揉めてしまったら自分で解決する事。


素材の買取りはお金だけでなくポイントも付くので率先してやる方が良いらしい。


死んでしまった冒険者のプレートを見つけて持ってくれば、そのプレートに応じたお金が貰える。


そんな感じだった。


「解りました」


説明を聞いて首を俺が縦に振ると受付のお姉さんが端末の様な物を操作しだした。


「はい、これがF級冒険者のプレートです、再発行にはお金が掛かりますので大切にお持ちください、またプレートが身分証明書を兼ねますので王宮からの身分証明書は冒険者を辞めない限り使わなくて大丈夫です」


冒険者になるなら、貰った身分証明は必要ないと言う事か……


「ありがとうございます」


「これで全部の手続きは終わりました」


お礼を言い背を向けると受付嬢が話し掛けてきた。


「冒険者は実績が全てです、実績があれば上に昇り詰められます、頑張って下さい」


「がんばります」


そう伝え、依頼書の貼ってあるボードを見に行った。




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