第7話

夜は襲われるのではないかと怯えながら過ごし、昼は魔王がいないのでリラックスしていた。


いつものお姉さんが大量の本を持ってきた。


「一日、早くなりましたが本が届きました。」

「すごい。こんなにいいの?ありがとう」


お姉さんは微笑んで一礼するとまた戻っていく。



できれば監獄から脱出する関連の本がほしいのだが。


「そんなに都合よくないわよね」


小説、ちらほら大人向けもある。

「発情スケベ野郎を思い出すわ」

サラは苦々しい表情になる。


手の甲を見つめる。


「神聖力があればもっと対等に交渉できるのに……」

昔の記憶を頼りに手に力をこめる。

「ダメだわー、神聖力ゼロだわ」


「あとは脱出するか、もうひとつはムリでしょ。好きになるなんてあり得ない」


仮病でも使って出してもらうか、相当な演技力がいるなぁとぼんやり考える。


「なんか変な食べ物落ちてないかな~」


何かないか棚を開ける。保存食しかない。

お腹を壊すくらいでは出してもらえないだろう、するだけ損だ。


絵の具で血のりを作って重症のふりをするとかも考えてみるが。

「絵の具を調達してもらわないと……」



お姉さんが調達したものは魔王に伝わっているかもしれない。バレたらえらいことになる。

「うーん」

サラなりに一生懸命考えているが良いプランが思いつかない。

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