第9話面倒だ、、
「前線をあげろ!!英雄すらも俺の前では!一般人だ!!」
そう言った指揮官は死んだ
「俺が君を守るよ」
そう言った青年は敵前で逃亡し、一人の兵士に命を奪われた
「女なんだから男を喜ばせる行動でもしてみろよ!ガハハハ!!」
そう言ったガサツな男は、首だけになった
新しく来る者がそうならないといいが
そんなことを思っていたのだが
「おい!ハサン!新人がスパイ捕まえたらしいぞ!!」
「え?」
「なんでもスパイと真正面から殴り合って完封したらしいぞ!」
「そんなことが!」
驚愕だ。戦場では新兵が一番早く死ぬ
戦場で3日生きれたら一人前と言われる要因だ
「有望だな。それは、、」
「一応ハサンの部下扱いらしいが、、、舐められそうだな」
「大丈夫。舐められたら、、分からせるだけだ」
今回はまともな人だといいけど
「助けてくれーー誰かーー」
「なにをやってるんだ?」
「おお。上官様。見て分かる通り、犬に負けてます」
新兵は犬に馬乗りにされ、寝床にされていた
「助けて下さい。この犬重くて」
「・・・本当にスパイに殴り勝ったのか?」
「なんの話ですか?俺、殴り合ってすらないですけど」
駄目かも知れないな、、今回の新兵も
「いやーーまさか入隊早々、犬に襲われるとは」
「・・・」
「あ、上官様。スパイが言ってたんですが、俺って優秀らしいんですって」
「お前が?」
新兵に疑問を込めた視線を送る
犬に負けてた奴が優秀?あり得ないだろ
「え?改造人間なんですか?こいつ」
「そうだ。最新、、というかこいつ以外に同じ改造タイプは存在しない」
「唯一の適合者ってことですか?」
「そうだ」
上官はハッキリと言い切る
【改造人間】
名前から分かる通り、改造された兵士のことだ
基本的に手術でなるのだが、拒絶反応で死ぬことが多い
改造するタイプにもよるが、確率としては2割程度生き残る
改造したとしても、滅茶苦茶強くなる訳でもない
ただしぶとくなり、便利になる
専用の武器を作れば、英雄になれる
「そいつは戦場で真価を発揮する、、らしい」
「らしいって何ですか?」
「仕方ないだろ。書類にそう書かれてるんだ」
「他に情報は」
「ない。あいつの情報はこの紙きれ一枚だ」
ペラペラの紙を一枚見せつけてくる
「訓練場を使用しても?」
「駄目だ。上の命令で新兵を即刻前線に送れとのことだ」
「・・・見捨てても?」
「・・・」
無言。つまり、許可すると言うことだ
ただし、問題が起こっても俺は知らないと言う意味も含まれている
「分かりました」
「この任務を君の部隊に任せるよ」
「了解しました」
敬礼した後に、部屋から出ていく
「・・・」
部屋から出た後、周りを見回す
「あいつ、、どこに行った!?」
外で待たせていた新兵が消えていた
(盗み聞きしていたのか!?戦場に送られてると聞いて逃げたのか!)
「あ、いたいた。ありがとうね!」
「いえ仕事ですので」
新兵は白髪の少女に引っ張られながら、私の元に現れた
「いやーートイレに行ったら道に迷いまして」
「嘘。動物につられて中庭にいた」
「トイレに行ったのは本当。猫につられて道に迷ったのも本当。ウソは無いよ」
「・・・」
白髪の少女はその場から離れる
「お前は何をしている?」
「小さい子に案内されただけですね」
「勝手に!持ち場から!動くな!」
「はい。可能な限り善処します」
「はぁ、、」
面倒そう。それがこいつの印象だった
戦場に行くまでの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます