第37話

「ん?」


「俺も一緒にいいかな?」


「あ、うん、いいよ。」



一瞬は戸惑ったものの、断る理由もない為了承したミオ。

安己奈達が座っていた向かいにミオと竹原が並んだ。



「へぇー、あんたが清蘭トップのイケメンくんか!確かに男前や!なんか爽やかくんって感じやな!」


「いやいや、俺なんかよりえーっと...」


「あ、俺駒草心汰。心汰でええよ。」


「あぁ、じゃあ。心汰の方がイケメンだろ。転校初日から注目されっぱなしじゃん。」


「そうなん?!いやー、男前に男前言われると自信つくわー。」



男二人が盛り上がる中、ミオと安己奈は突き刺さる視線に嫌気がして仕方なかった。



「竹原先輩、やっぱり芦田先輩と付き合ってるのかな?」

「えーやだー!」

「でも、あの二人ならお似合いだよね。」



竹原は特に後輩からの人気が高く1、2年生の声と視線がミオ達のテーブルに向けられていた。


「あーウザい。鬱陶しい。気持ち悪い。」


「安己奈、声に出てるよ。」


「出したんだからいいの。昼ごはんくらいゆっくり食べさせてよね。せっかくのスペシャルカツ丼が不味くなるわ!」


スペシャルカツ丼。それは清蘭の名物丼シリーズの一つで大きなカツが三枚乗り、ご飯が通常の三倍の大盛り丼である。

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