第26話
そして、辿り着いた体育館。殆どの生徒達は既に整列しつおり、雑談に花を咲かせていた。
《静かに。》
ミオ達も自分のクラスに整列したところで、教師の声がマイク越しに響いた。
ざわつきが収まると、更に教師の声が続く。
《では、一身上のご都合により長期の休養に入られました国語の森下先生の代わりに、本日から本校に赴任された先生を紹介します。黒澤先生、どうぞ。》
紹介され少しの間を置いて壇上の袖から現れたのは、細身の黒いスーツ姿の男。
「うそ!若くない?」
「え、マジでイケメン!」
「やばい!かっこいいんだけど!」
その男が壇上に立った瞬間、女子生徒達のキャア、キャアとした黄色い声があちらこちらから挙がった。
《みなさん、初めまして。本日より森下先生の代わりに国語を担当する黒澤椿希(くろさわ つばき)です。よろしくお願いします。》
一般的な男性の声よりも僅かに高めの良く通る声音が体育館に響く。
黒髪の少し長めの前髪から覗く切れ長な瞳。薄い唇は緩やかに弧を描いた。
《不慣れな点もあると思いますが、皆さんと一緒に成長していけたらと思います。勉強や行事、一緒に楽しみながら頑張りましょう。》
男性の割りには少々華奢な気もするが、その中性的な容姿に女子生徒だけでなく男子生徒、そして横に並んでいる教師までもが目を奪われていた。
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