第22話

朝食を終え、学校へ向かうべく家を出発した三人。

電車で通うミオは、駅から学校専用のバスに乗る和季、花永と別れて歩き出した。


電車に揺られ、2駅。駅から歩いて五分の所にミオが通う清蘭(せいらん)中学校がある。



「ミオおはよー。」


「芦田はよ~。」


「おはよう。」


駅を出た所から向けられる朝の爽やかな挨拶。


それは1、2年生の時のクラスメイトや今のクラスメイト達でミオはそれを返しながら校舎へと向かって行く。


いつもと変わらない日常。

しかし、校舎に入ると何やら騒がしい。特に女子生徒達が色めき立っているのが目につく。

そしてあちらこちらで"転校生"や"イケメン"、"新しい先生"などと言ったワードが飛び交っている。



「おはよう、安己奈。」


「おはよ~ミオ!今日も可愛い~食べちゃいたい♡」


「はいはい、ありがとー。」



1年の時からの付き合いになる立花安己奈(たちばな あきな)。

生まれつきだと言う茶色がかった髪、色白で目鼻立ちがはっきりとした彼女は時々ハーフに間違われるらしい。



「ねぇ、これ何の騒ぎ?」



ミオが教室内を見回すと廊下での騒ぎが教室に入ってまでも行われていた。



「あたしも昨日聞いたんだけど、なんか転校生と新しい先生が来るんだって。」


「へぇ~、こんな中途半端な時期になんて珍しいね。」


「ね、突然過ぎるよね!しかも、両方男でかなりのイケメンらしいって噂。」

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