第13話
「は?オレが間違ってる情報をさっくんに渡す訳ないでしょ。今、調べてるって言ってんだから、黙ってそれ見といてよ。」
光祥の若干疑うような発言が勘に障ったのか、桜真は苛立ったように返した。
「あ"?桜真、誰にそんな口にきいてんだ?」
今度は光祥のこめかみがピクリと動く。
「誰って、自分の名前も分かんないの?大丈夫?なんならいい病院探してあげようか?」
「ッんだと、このクソガキ!」
「オレがガキならアキくんなんてもうおじさんじゃん!!」
「あ"ぁ"?!誰がオヤジだコラ!たかが5歳差だろうが!俺はまだピチピチの20代だ!」
「いや、ピチピチとか死語でしょ。言ってる時点でもうオヤジでしょ。」
「はぁ?!全国のピチピチ言ってる人達に謝れ!」
「意味分かんないんだけど。」
まるで子どものような言い合いを続ける二人。
すると、睨み合う二人の頭上に突然差し掛かった黒い影。
ふと二人が見上げた、その先には。
「おわっ!さっくん、たんま!それ一昨日かったばっかの一番新しい機材!やめて!高かったんだよー!壊さないでー!!」
「つーか、その前にそんなのぶちかましたら俺らの頭が壊れるわ!やめろ朔!落ち着け!!」
そこには横に置いてあった機材を頭上に掲げた朔の姿があり、どす黒い影を落としながら二人を見下ろしていた。
「アキうるさい、桜真の邪魔するな。桜真もアキに構ってないでさっさと作業しろ。」
「はい。」
「はい。」
朔の威圧におとなしく自分達の席に着いた二人。
それを見ると、朔も機材を元に戻し腰を下ろすと書類を手に取った。
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