第10話
「朔さん、車の用意が出来ました。」
「あぁ。」
眼鏡の男は車の助手席へ、黒髪の男は後部座席へ乗り込んだ。
整列した男達は、その車が発進して見えなくなるまで礼を続けた。
「朔、今度の情報...本物だと思うか?」
「さぁな。でも、桜真が"分かった"と言ったんだ。あいつだけは間違った情報を俺達には流さない。」
そう。その人物は今までも、確信をついた情報しか絶対に口には出さなかった。
分からない事は分からないと言う、そういう部分では素直な奴なのだと二人は知っていた。
「確かにそうだな。菊田、急いでくれ。」
運転手は返事をするとアクセルを踏み込んだ。
そして、車が到着した先。そこは純日本家屋の大きな屋敷だった。
威圧感たっぷりの門構えは入ろうとする者を威嚇する。
-花王会 桐谷組-
組員数は多くはないが絶大な力を持ち、日本の数ある裏組織の中でも一目置かれている花王会。
東西南北に取り仕切る組が配置され、その中でも実力、実績共に名が知られているのが東日本を取り仕切る桐谷組だ。
そして、それが二人の男に浴びせられる熱視線の正体でもある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます