第9話
二人がビルを出ると同時に数人の若い男達が歩み寄る。
男達の鋭い目が二人を捉えたかと思うと、一瞬にしてその男達は畏まったように整列した。
「女が一人、上で寝てる。まだ戻れるだろうから表の世界に帰してやれ。」
「はい。」
「まぁもし、抵抗するようなら...間宮組に熨斗付けて送りつけてやれ。あんな三下の組でも裏の住人には変わりないんだ。落とし前くらいは付けれるだろ。」
「はい。」
眼鏡の男が坦々と指示を出す。
そんな男達を道を行き交いながら遠巻きで見ている人々の視線。
「うわ、桐谷組だ。」
「目合わすなよ。目だけで殺される。」
その目には男女共に羨望、恐怖、憧れ、欲望が映し出されていた。
特に、前に立つ二人の男達への視線。
「あれって桐谷さんだよね?!ヤバイかっこよすぎ!!」
「藤宮さんもいるじゃん!ツーショットめちゃくちゃ絵になるー!」
「女探してるんでしょ?あたしも一回くらい抱かれてみた~い。」
何故、まだ若いこの男達がそこまでの熱視線を注がれるのか。
それは裏の世界を知る者なら周知の事だった。
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