第2話
───朝日が街を照らし、人々が活動を始める頃、あるニュースが各テレビ 局から流れ出した。
《昨晩、住宅街で火事があり一軒の焼け跡から一人の遺体が発見されました。》
《この遺体はこの家に住む椎名恭太さんと思われるようですが、遺体には複数に渡り刺し傷があり、警察は放火とあわせて殺人事件と見て捜査を開始しています。》
路上にある大画面にも焼け跡の映像が生々しく映し出されている。しかし、通勤、通学途中の慌ただしい中で目を向ける者は少ない。
《家のすぐ横の道路には、椎名さんの10歳の長男が倒れており、救急車で病院に搬送されました。》
《長男にも腹部と腕に数ヶ所刺し傷があり、意識不明の重体で現在手術中との事です。この家には他に椎名さんの妻と5歳の長女が住んでいますが、現在行方が分かっておらずなんらかの情報を知ってると見て警察は行方を追っています。》
しかし、この報道から数日、数週間経っても妻と娘の情報は挙がらず行方は一向に不明のまま。
そして、その事件は時が経つにつれテレビからも姿を消し、人々の記憶にも過去に起きた数ある事件の中の1つに過ぎないものになっていった。
ある人物達を除いて、は。
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