2020年3月2日

 所詮私が全部悪いんだろうな、なんて思うこの頃。この頃? いつからだろう。


 最近は特に様子が変だ。無理矢理抑えつけてきた私が目を覚ました。まるで長い眠りから起きたように、短期間に暴走を繰り返す。それは、私を情緒不安定に陥らせる。怖い。辛い。疲れた。だから抑えてきたのに。何でこんなに今更目を覚ますの? もう二度と目覚めなくてよかったのに。私自身が抑えきれない私なんて要らないのに。糸が切れたように突然現れた。


 私は人も物も傷つかないように、私の中で全部完結させてきた。過去のトラウマだって、生活の困難だって、私が私を犠牲にして生きてきた。それには勿論いろんな人の助けがあったからこそなんだけど。私なりに、助けてくれる人に素直に助けてもらって、困ったときは声を上げて、生きていく方法はそれなりに知っている。だけど、私の中にある記憶だって感情だって人には通じないし、言っても伝わらないことも知っていて。無意識に自分を殺して偽ってきた。同年代より少しいろんなことを知りすぎて、片手を離して目の前のことを喜べない。常にその先を考えていたし、考えていなくても最終的に全部自分が傷つくことで補えると思っていた。


 私が犠牲にしてきた心って、私の中のもう一人の私で、きっとそれって小さい頃とかみんな持ってるようないろんなことを恐れている自分。その子を無碍に、そして長いこと使い続けていた。そしてその私は、成長と共に消えるはずだったのに、もう一人の私として自立してしまっていた。気づいた時には偽りの、所謂表向きの私と本当の自分の距離がどんどん離れていって追いつけなくなった。私は私を憎み、忌まわしい存在であると思っている。現在もまだ。


 本当の自分、きっと身の丈の自分は、もう限界だと叫び始めた。その叫び声に気がつかなかった。思えば、鬱と診断された頃には自分は根を上げていたのかも知れない。どんどん思考が鈍っていって、私が私を抑えられなくなった時、何度も反発を起こしてあまり良い方向には向かなかった。無駄に有り余っている行動力と、無駄に愛想良くしている私が共鳴した時、悲劇は起こる。私の中で、それは2019年のうちに片付けられると思っていた。まさか、2020年にもなって、また暴れだすなんて誰が思ったんだろう。


 自分と自分のスイッチが切り替わった時、声色も表情も変わるのが分かる。私の知らない私が出てくるようで恐怖を感じる。いつもの私は私の中で暴走している私を嘲笑っている。人から見たらただブチギレた人なんだけど、頭の中では自分が発している支離滅裂さにも気付いてるし、なんならめちゃくちゃにツッコミを入れていたりする。漫画だったらきっと四角で囲まれた脳内の自分みたいなやつ。自殺しようと包丁を腹に突き刺して高笑いしていた時も、私はひたすらにツッコミ役に徹していたし。ツッコミもとい、冷静になっている方の自分だから、ここで死んだらダメなことも分かっていてでも自分で止められなくて「誰か」が来るまでの時間稼ぎをする。でも最近は歯止めが効かなくなりつつある。だから私は私を慰めることにした。でも今更、方法なんて分からない。とりあえず、家を出て、一人の時間を作る。そしたらさ、今度は私じゃなくて違うところから私を攻撃してくるものが現れて、結局また邪魔されちゃったの。また目から光が失われていくのを感じる。堕ちていく、暗くて深い世界に。涙を流すことさえ許されない、光の差さない場所。どうしたら私は私を傷つけずに、自尊心と自愛心を持てるのかな。せめてさ、涙くらい流させてよ。子どもみたいに泣き喚いて、それが許される温かい場所に行きたい。そこまでして何で私って生きてるんだろうって思うけど、きっと私が居た堪れないからもがいてるんだろうな。そろそろ終わりにさせてくれないかな。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る