第2話
今日は私の取り巻きが勝手にメルシャンをいじめないように作戦会議をした。
メルシャンは成績もそれなりに良く、性格も愛嬌があり、誰が見ても可愛い。
王子が一目惚れするのもわかる。私だって本当は友達になりたいのだ。
私のゆるい嫌がらせが、生ぬるいと納得していない取り巻きもいる。
一応、アレックスとクリストファーに目を光らせてもらっているが、何が起こるかわからない。
そこで『エレノア以外が手を下すのは許さない作戦』を実行する。
取り巻きにメルシャンに手を出せるのはエレノアだけだと私自身が威圧をかける。
なぜそんなにぬるい方法しか取らないのかと言われたら、断罪の時に言い訳が通るからだと適当に言う。
そうして嫌がらせをするフリを続けながらメルシャンを守るのだ。
今度は調理実習の時にクッキーを焦がして見栄えを悪くしておいた。
アレックスにクッキーをあげる約束をしているメルシャンは明らかに悲しげだ。
放課後、半泣きしながらメルシャンは焦げたクッキーを見せている。
アレックスは食べなくて良いと言ったメルシャンを制止して、クッキーを食べた。完食して何かひそひそ囁いている。
メルシャンは真っ赤になりながらうなずく。
(その仕草、可愛いのよね。あくどい、あくどいぞ王子。それにメルシャンを独り占めなんてずるい)
おっと、これ以上は解説できないので盗み見は止めておく。
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