第5話

扉を開けると、さすがに金曜日というだけあって、満席に近い状態で賑わっていた。


想像していたよりもずっと、中は広い。



入り口の雰囲気とマッチした、洗練された落ち付きのあるBarだ。客層も心なしかそれなりの地位を持った大人に見える。


私たち、大丈夫かな。





見るとカウンターは数席空いている。



「2名様ですか?

宜しければ、こちらへどうぞ」



カウンターにいた同じくらいの年齢の男の人が、カウンター席に案内してくれた。

金髪に近い短髪だけど、可愛らしい顔とマッチして、品のあるなかなかのイケメンだ。




「当たりだったね」



ミッツが得意気にニヤリと笑う。

・・・品がないけど、本当に大丈夫かな。




案内されたのはカウンターの一番隅で、なんだかとても落ち着いてほっとした。



「何になさいますか?」



席に着くと、早速その彼が聞いてくれた。



「私のイメージに合う、オススメのカクテルをお願いします!」



ミッツは決めていたかのように、即答する。

基本お酒は強くてなんでも飲める。





「・・・じゃあ、私はカシス系で何かお願いします」



私はあまり強くない上に、飲めるものも限られているから、ミッツのような頼み方は出来ない。っていうか、飲めてもしないけど!




金髪の彼は少し笑いを堪えながら、わかりましたと答えた。

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