第67話

目をゆっくり開けると、ルキの顔が目の前にあった。


どうやら、ルキに体を支えられていたようだ。



「真緒、大丈夫か?」


「うん…。」


「体、起こせるか?」


「うん、ありがとう。」


真緒はゆっくりと体を起こす。



「占いはどうだったかな?

意識がなくなってびっくりしただろう?」



いつの間にか正面に座っている亜衣が、鋭い視線を向けながらルキと真緒に聞く。



「亜衣様、素晴らしい占いでした。」



ルキは亜衣を褒め称える。



「亜衣様の力は本物ですね。

当たっているし、結果に大満足です。」


真緒は笑顔で言う。



「そうかそうか。」


亜衣は満足げに頷く。


「亜衣様…今後も、占ってもらいたいんだけど…」


「うーむ…私は忙しい身だからな…」



ルキの提案に亜衣は難色を示す。






「亜衣様…」



ルキは立ち上がり、優雅に亜衣に近づいていく。



「なんだ…?」



ルキの行動に亜衣はキョトンとした顔をする。


そして、ルキは艶っぽく怪しげに亜衣の手を握る。


「なっ!!

何をするっ!?」


亜衣はびっくりして声をあげる。


「占ってくれるよね…亜衣様…ー…?」


「なっ!?」



ルキの瞳が怪しく赤く染まる。



「お前…その瞳…なんだ!?」



亜衣はルキの瞳から目が離せない。


魅了される。


逃れられないその魅力に亜衣は屈してしまう。



「はあ、負けた。

ルキは不思議な男だな…私を乱す。

いいだろう…今後も特別に見てやろう。

一番だ!有り難いだろう。」


「ありがとう。

でも、俺は亜衣様の一族の居場所が知りたいんだ。」


「そうか…なら、近々一族が暮らす村で祭りがある。

お前たちも来るか?」


「いいんですか?」


ルキは亜衣の前で首を傾げる。



「うっ!

その仕草はやめろ!

心臓に悪い。

ああ、いいとも。

50年に1度の儀式もあるからな。」


「儀式…?」



亜衣の言葉にルキは反応する。

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